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日本の自動車市場分析・コンサルティング専門会社であるカノラマジャパン 宮尾健代表取締役が15日現代自動車の日本市場再進出と関連して説明している。 東京=キム・チョンジュン特派員(世界日報)
「日本市場で現代自動車の競争相手は日本の自動車メーカーではなくターゲット顧客層が重なる米国テスラです。 今後日本のZ世代(1990年代中盤∼2000年代初期生まれの若者)にどのようなセールスプロモーションをするかが(成敗の)ポイントになるでしょう。」
日本の自動車市場分析・コンサルティング専門会社であるカノラマジャパン(CARNORAMA JAPAN) 宮尾建代表取締役は15日現代自動車の日本市場再進出と関連してテスラとの競争とZ世代攻略を強調した。
現代車は先日8日東京で記者発表会を開いて、5月から電気自動車(EV)アイオニック(IONIQ)5と水素燃料電池車(FCV)ネクソ(NEXO)を日本市場に販売すると明かした。 2001年進出してから2009年12月にバスなどごく一部を残して大部分の事業を撤収してから満12年ぶりである。
現代自は日本再進出とともに新しい試みをする。 ディーラーネットワークを置かずにテスラ式のオンライン販売方式を採択することが代表的である。 日本法人名を現代自動車ジャパンから現代モビリティー(Mobility)ジャパンに替えるなど新しいイメージ創出努力もしている。
宮尾代表は去年9月ドイツミュンヘンモーターショーで撮影したアイオニック5の写真が挿入された自社ホームページを示して「去年ヨーロッパへ調査に行ったがヨーロッパでアイオニック5が高い評価を受けており、自動車自体は日本でも評価を受けるであろう」と言いながらも、2009年当時の撤退によるマイナスイメージを改善しなければならないという点を指摘した。 そして「Z世代は現代自動車を知らないため、ヒュンデモビリティーという新しいブランドが現れたと認識する」と言いながら若者攻略を唱えて「テスラの新型車であるモデルYの日本発売が延期されており、現代自にはアドバンテージになるだろう」と言った。
宮尾代表は、現在EV、FCV分野で出遅れたとも見られる日本自動車業界が巻き返して5年以内に韓国車に追い付き追い越すことができると警告もした。
―韓国車のEVやFCV技術力をどう思いますか。
「現在のところの競争力は高いでしょう。 ここ2, 3年は世界的に自動車の電動化の動きがとても早く進んでいる。 そのなかでも現代自動車・キア自動車の電動化が日本の自動車メーカーに比べても速いと思います。 ただしそれは、現代自動車が電動化に強いというよりは 内燃機関(エンジン)において、二酸化炭素削減や燃費向上技術において日本に劣っていたため、電動化に経営資源を特化したという背景もある。 エンジン車で劣っていたことが日本市場撤退の原因でもあった。 日本車メーカー特にトヨタは従来、EVよりはハイブリッドを重視していたため、総合的に見れば電動化に出遅れたものと見られる。現代自動車は、2015年時点でハイブリッドではなく電気自動車の開発に注力した結果、現時点でEVとFCVが顕著にクローズアップされたということだろう。」
―日本車メーカーはEV、FCV開発に力を注がなかったという意味か。
「それ(EV、FCV)よりはハイブリッドに力をいれていた、特にトヨタはハイブリッドにこだわった。日本市場の半分近くは、軽自動車セグメントのため 軽自動車をEVやハイブリッドにするには費用的側面で難しいという背景もある。」
―日本車メーカーがEV、FCVを開発すればすぐ追い越すことができるという意味か。 追い越しにどのくらいかかるか。
「追い越しは可能だ。(遅くとも)5年程度だ。 2025∼2027年のうちに、日本車メーカーが現代自動車に追い付き追い越すことができると見ている。 EVだけに特化して見れば日産・三菱は2009, 2010年から販売開始しており、現代自動車よりノウハウ、知識をより多く蓄積している。 今後韓国車がEV市場をリードするためにはバッテリー品質を高めなければならない。 自動車は人の命を託す道具だ。 事故等によりバッテリーが発火したら最悪の状況になる。 今後品質をどう維持するのかがポイントになる。」
―韓国車が日本市場で成功しようとすればどのような努力が必要か。
「シナリオにかかっている。二つのシナリオが想定される。 一つはトヨタ、日産、ホンダのような日本車メーカーと真っ向勝負することである。相当な投資が後押ししなければならない。ディーラーネットワーク構築やセールスプロモーション、2009年の撤収による否定的イメージを変える作業などが必要だが、とても難しいと思う。一方のシナリオはニッチ(隙間)攻略である。これは比較的容易であろう。今回の現代自の発表を見る限り、できるだけ少ない投資でEVあるいはモビリティーに絞り込んで(日本市場へ)食い込もうとしているのが強く感じられた。
―日本のユーザーがオンラインで韓国車を購入するだろうか。
「今後どのようにしていくかによるでしょう。 ターゲット顧客層が既に現代自動車を知っている人ではなく、新しい顧客を狙うものと見られる。このターゲット顧客層は現代とテスラで重なっている。「現代自動車かトヨタ・日産・ホンダか’ではなく「アイオニック5かテスラか」の競合である。日本市場で日本車メーカーと戦うのではなく米国車メーカーと戦うのである。難しいのか容易いのかは今は誰も分からない。」
―ベンツ、BMW、フォルクスワーゲンといった他の輸入車との競争は。
「二つのリーグが生じるようなものだ。ベンツ、BMW、フォルクスワーゲンの顧客と日本車メーカーの顧客は重なっている。彼らはメジャーリーグで戦って、現代とテスラは(日本市場の1%未満であるEV市場という)マイナーリーグで競争するという構図だ。メジャーリーグの顧客は年齢層も上であり現代自動車撤収を知る人々である。現代自動車はそれを知らないZ世代をターゲットにすれば良いだろう。 Z世代は現代自動車の撤収を知らず現代モビリティーという新しいブランドが出てきたと考えるだろう。
―若者は環境のほうが重要だと考えるので、EVの方が競争力があり得るのかも。
「現在のところ、日本で内燃機関車は環境に悪く、EVは環境に良いというのは誤った認識である。日本は火力発電割合が高い国だ。日本で電気自動車を動かせば途方もない二酸化炭素が排出されるのである。テスラがマーケティング段階で”EVが環境に肯定的”という認識を植えつけてしまった。現代自動車もテスラを模倣することによりテスラと対峙することができる。テスラとともに新しい市場を作ることもできる。ただしテスラが日本でしてきた間違ったプロモーションについては日本のZ世代も少しずつ勉強して分かってきている。二酸化炭素排出を削減するために必要な作業は、現時点で内燃機関車を無くして電気自動車に替えることではなく、火力発電所を無くす取り組み、あるいは太陽光など再生エネルギーを増やすための努力がさらに重要である。EVを否定するわけではないが、現在日本の電力事情では電気自動車はクリーンなものではない。」
―日本のEV市場成長のためにはインフラ整備から必要であるという意味か。
「現在全世界に18億台の自動車があるが、一度にすべてEVに替えることはできない。 1年に1億台ずつ替えるとしても18年かかる。 今後日本でも火力発電所が減少して再生エネルギー利用が増えればEVが環境に良い車になるはずである。このようになれば日本車メーカーもEVにもっと力を注ぐはずである。バッテリー問題もある。バッテリーが高い故に、EV車両価格も高い。2026年になれば今より価格が20∼30%下がった次世代バッテリーが出る。内燃機関車とEV価格が同じようなレベルになる。そこまでなれば消費者のライフスタイルや自動車利用効率に合わせてガソリン車、ハイブリッド、EVが選択肢になると思う。」
―今後のどのような戦略が必要であるか。
「車を所有していない人に金を使わせるマーケットを作る必要がある。日本の若者は車離れ(車を購入しない現象)が進んでいる。Z世代は車を所有したがる人が少ない。車を所有せずに、購入を望んでいないZ世代にモビリティーサービス提供が可能なビジネス・モデルを作るのも日本市場で生き延びる条件と思う。」
訳:朴相圭(大星エルテック)
2022年2月18日 14:07 世界日報(韓国)より抜粋
韓国現代自動車の日本再進出における競合は日本メーカーではなく、テスラが競合となる。
ネット販売、EVのみの販売、サービスネットワークを展開せず。
2009年に日本市場から撤退した経緯があり、必ずしも歓迎される参入とは言えず。
現代自動車というブランドを知らない、Z世代に向けたセールスプロモーションが効果的と考察する。
日本市場は成長市場ではない。
さらに、日本メーカーのホームであるため、現代自が勝つことは非常に難しいと思う。
日本メーカー+欧州メーカーがメジャーリーグだとすると、
現代自が狙うのはニッチ市場ということになる。
テスラが狙う市場はメジャーリーグではなく、ニッチ市場。
現代自が日本市場で勝つためには、テスラを凌駕するパフォーマンスが求められる。
投資を最小限に絞った上で、スピーディーに市場を攻略する必要がある。
時間を掛けてしまうと、投資規模の拡大、テスラ・モデルYの日本上陸、そして日本メーカーのEV攻勢により、現代自のビジネスは窮地に追い込まれることになろう。
また、「エンジンは悪、EVが正義」という日本の消費者に擦り込まれた意識も、時間と共に誤解が解消される。
日本の特殊な電力事情により、将来再エネが普及して初めてEVが認められる。
ゆえに、日本メーカーは日本市場への大々的なEV投入タイミングを図っているのである。
2022年2月16日 14:34 世界日報より抜粋
“It’ll be a decent battle,” mentioned Takeshi Miyao, an analyst at Carnorama, an automotive consultancy. “Japanese automakers are sturdy globally, however they’re even stronger at house. It’s a really troublesome marketplace for international carmakers.”
Miyao predicts significantly sturdy competitors from Toyota’s bZ collection, a line of electric-only sport utility autos unveiled final yr. Toyota is planning to spend $35 billion to hurry up its shift to EVs.
Nissan and alliance companions Renault SA and Mitsubishi Motors Corp. are spending a mixed 23 billion euros ($26 billion) over 5 years to roll out 35 new battery-powered vehicles by the top of the last decade.
Home carmakers will even have the higher hand in relation to offering charging stations, helped by their current networks of dealerships all through the nation, together with in rural areas. Nissan already has a community of charging stations and is planning to construct extra as a part of a world, 20-billion-yen challenge. Toyota has mentioned it’s going to equip EV chargers in any respect its sellers all through the nation by round 2025.
2022年2月7日 16:28 Bloomberg Newsより抜粋
日本の自動車メーカーには、このまま何もしなければ中国勢にやられてしまうという高い危機感があるとSBSの鎌田氏はみている。一方で自動車調査会社、カノラマの宮尾健アナリストは現時点では中国のEVメーカーに価格面で優位性があるが、「3年後も最先端でいられるかは全くわからない」と述べた。
2022年1月17日 09:54 Bloomberg Newsより抜粋
Toyota, the world’s biggest carmaker, still has the ability to turn things around, particularly if it focuses on making high-performing solid-state batteries, according to Takeshi Miyao, an analyst at Carnorama. “Chinese EV makers are at the fore when it comes to prices, but you never know if they’ll still be leaders in three years time,” he said.
2022年1月17日 09:00 Bloomberg Newsより抜粋
今年2021年は、「EVは善、エンジン車は悪」というプロパガンダに自動車産業が翻弄された1年であった。
世界を代表する自動車メーカーであるトヨタの社長であり、日本自動車工業会の会長を兼任する豊田章男氏は、自工会の会見で「私たちのゴールはカーボンニュートラルであり、その道は1つではありません。カーボンニュートラルな燃料技術、エンジンの燃焼技術、モーターや電池などの電動化技術、それらを組み合わせる複合技術、こうした強みを持つ日本だからこそ、選べる道があるのではないかと考えております。」と語った。
「EVは善、エンジン車は悪」という単純な問題ではなく、EVであってもLCA基準で測るとエンジン車よりも多量のCO2を排出している。第二章ではEVが排出するCO2の事実と、その削減方法について解説した。最終章となる第三章では、エンジン車はカーボンニュートラルを実現できるのかについて考えてみたい。
続きは、Response 本編をご参照下さい。
2021年12月22日 07:49 Responseより抜粋
自動車産業のなかでは、いわば常識なのだが、EVは必ずしもカーボンニュートラルではない。理由は2つある。ひとつは電源構成による発電時のCO2発生の問題。そしてもう一つは、LCAの観点で見たEV製造時に発生するCO2の問題である。どこで間違ってしまったのか、「EVは正義、エンジン車は悪」というレッテルが貼られてしまったように思えて悲しい。世界的なネガティブキャンペーンによる印象操作がその主たる理由であるが、他方で、各国政府がその方向で政策を進めていることを見逃すわけにはいかない。
続きは、Response 本編をご参照下さい。
2021年12月17日 15:07 Responseより抜粋
昨年の10月26日、時の首相菅義偉は、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と述べた。これは世界の潮流であり、自動車産業の関係者にとっては非常に難しいチャレンジである。100年に一度といわれるCASEの大改革時代に突入した自動車産業は、同時に2050年カーボンニュートラルという達成困難な目標に直面しているのである。
続きは、Response 本編をご参照下さい。
2021年12月6日 15:53 Responseより抜粋
自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストは、「自動車産業が目指しているのはあくまでもカーボンニュートラルの世の中であり、EVの普及ではない」と指摘。「脱炭素燃料の普及が早ければ、第一次EVブームは終了する可能性がある」と予想する。
2021年11月18日 12:11 ロイターより抜粋
“If the adoption of carbon-free fuels happens quickly, that could bring the first battery EV boom to an end,” said Takeshi Miyao, an analyst at auto industry research company Carnorama.
In Japan, where mass layoffs are politically difficult, hydrogen’s allure is that it would cause less disruption than a full switch to EVs. The Japan Automobile Manufacturers Association estimates the automotive industry employs 5.5 million people.
CN燃料の早期普及は「第一次EVブームの終焉」をもたらすことになるかもしれない。自動車産業の目標は、EV普及ではなく、2050年のカーボンニュートラルの実現である。いま自動車産業の枠組みを崩壊させることは、単に世界市場に混乱を起こすことであり、正解とは言い難い。
2021年11月16日 07:43 Reutersより抜粋