CARNORAMA JAPAN -Automotive Views – Trends – Ideas – カノラマジャパン株式会社

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カノラマは設立以来、新聞・専門誌・インターネットニュースソースなど国内外の様々なメディアに対してナレッジを提供して参りました。これは、メディアを通して自動車産業の発展に寄与するという目的で実施されています。これまで配信されたニュース・トピックを貴社の戦略にご活用いただければと思います。過去の注目ニュースを掲載していますので、内容を詳しくお聞きになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。


【中国】NEV減税は「一律支援」から「選別支援」へ

中国NEV減税は「一律支援」から「選別支援」へ 2027年課税再開が示す成熟市場

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中国のNEV政策は、まだ全面的な後押しを続ける段階にある――そう見ていると、今回の税制見直しは意外に映ります。実際には中国当局は、普及が進んだ分野と、なお優遇を残す分野を切り分ける「次の政策フェーズ」に入り始めました。

CnEVPostによると、中国は2027年1月から一部NEVに対する車両・船舶税の免除を打ち切ります。ただし、BEV乗用車は引き続き非課税のままです。この線引きは、中国市場が量の拡大局面から、政策の選別局面へ移ったことを示しています。

 

何が起きたか

今回の見直しでは、プラグインハイブリッド車、レンジエクステンダー車を含むPHEV、バッテリー式商用車、燃料電池商用車が2027年から車両・船舶税の免除対象から外れます。省エネ車向けの半額課税措置も終了します。

一方で、BEV乗用車と燃料電池乗用車は、エンジン排気量を持たず現行法の課税対象外であるため、事実上の非課税が維持されます。財政部の説明では、NEV普及が急速に進み、2025年のNEV販売が1649万台、国内新車販売の過半を占めたことが政策環境の変化として示されました。

 

なぜ重要か

重要なのは、中国がNEV全体を一括で保護するよりも、「どのカテゴリーを今後も伸ばしたいか」を税制で明確にし始めた点です。BEV乗用車は守り、PHEVや一部商用分野には通常課税を戻すことで、市場の成熟度に応じた差を付けています。

これは単なる優遇縮小ではありません。NEVがすでに主流化し、2026年5月の小売浸透率が62.9%に達したからこそ、当局は補助から制度設計へ軸足を移せるようになったとも読めます。中国市場では今後、販売奨励より税・道路財源・公平性の再設計が大きなテーマになります。

 

日本から見た意味

日本から見ると、中国市場を「補助金で伸びたEV市場」とだけ理解するのは不十分です。普及率が高まった結果、中国は支援を縮めてもBEV乗用車の勢いを維持できるかどうかを試す段階に入りました。

日本メーカーや部品各社にとっては、中国が今後どの車種に政策的な追い風を残し、どの分野で競争を市場任せにするのかが重要です。PHEVや商用分野でコスト条件が変われば、製品戦略と価格戦略の見直し圧力が強まります。

 

まとめ

今回のニュースの本質は、中国がNEV支援をやめるという話ではなく、普及が進んだ市場に合わせて支援の配分を変え始めたことにあります。BEV乗用車を残し、一部NEVを課税に戻す判断は、中国のEV市場が新しい成熟局面に入ったサインです。

 

出典

  • Canonical Source: CnEVPost
  • Extraction Source: CnEVPost
  • URL: https://cnevpost.com/2026/07/03/china-scraps-annual-vehicle-tax-exemption-for-some-nevs/
  • Published: 2026-07-03 18:21 JST
  • Note: 税制変更の原文確認元はCnEVPost。中国財政部などの共同声明内容を要約した記事。

2026年7月4日 09:24 より抜粋

【インド】インドEVはなぜ月30万台を超えたのか?

インドEVはなぜ月30万台を超えたのか 2輪・3輪・4輪で進む“同時普及”

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インドのEV市場を語るとき、乗用車だけを見ていると全体像を見誤ります。いまのインドでは、2輪・3輪・4輪がそれぞれ別の速度で伸びながら、市場全体としてEV化の裾野を広げています。

EVreporterによると、2026年6月のインドEV登録は月間30万5687台に達しました。注目すべきなのは単なる記録更新ではなく、2輪・3輪主導の普及に4輪の伸びが重なり、EVが“ニッチ商品”から“交通インフラの一部”へ近づいていることです。

 

何が起きたか

6月の登録はE2Wが19万3603台、E4Wが3万1388台、L5旅客3輪が3万3677台、e-rickshawが3万2123台、E-Goods Carrierが2487台、電動バスが710台と、ほぼ全カテゴリーで前月を上回りました。

記事では、2025年7月から2026年6月までの12カ月データでも、月次販売のピークが2026年6月だったと整理されています。とくに2輪のEV浸透率は5月の9.3%から6月に10.6%へ上昇し、4輪も月3万台を超える水準に乗りました。

 

なぜ重要か

重要なのは、インドのEV化が高価格帯の乗用車だけで進んでいるわけではないことです。日常の移動や配送を担う2輪・3輪で裾野が広がることで、EVは生活インフラとしての位置を強めています。

そのうえで4輪も伸びてきたことで、市場の見え方が変わります。これまでは「二輪は普及、四輪はまだこれから」という二段構えでしたが、今は複数カテゴリーが同時に前進しており、充電、部材、販売網、金融のすべてで市場規模の前提が一段上がりつつあります。

 

日本から見た意味

日本から見ると、インド市場は「安価な小型車の国」から、「多層EV市場」へ移りつつあります。2輪や3輪のボリュームがあるからこそ、電池、電装、充電、ソフトウェアの量産学習が進み、その成果が4輪にも波及しやすい構造です。

日本メーカーにとっては、完成車販売だけでなく、二輪・三輪・商用軽物流も含めたエコシステム戦略が問われます。インドではカテゴリー横断でEV化が進むため、4輪だけで市場を見ていると機会を取りこぼしやすくなります。

 

まとめ

インドEV市場の本質は、月30万台を超えたことそのものより、2輪・3輪・4輪が同時に伸びていることにあります。これはEVが一部ユーザー向けの選択肢から、交通全体の標準オプションへ近づいていることを示す変化です。

 

出典

  • Canonical Source: EVreporter
  • Extraction Source: EVreporter (Vahan dashboard summary)
  • URL: https://evreporter.com/indias-electric-vehicle-sales-trend-june-2026/
  • Published: 2026-07-03 JST
  • Note: EVreporterの記事を本文確認元として採用。Vahan Dashboard集計ベースの月次市場整理。

2026年7月4日 09:23 より抜粋

【ASEAN】タイはなぜASEANのEV工場になれるのか?

タイはなぜASEANのEV工場になれるのか 1370億バーツ投資が示す供給網の厚み

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ASEANのEV拠点競争は、販売台数だけでは決まりません。勝負を分けるのは、工場、電池、部品、充電網、人材まで含めて、どこまで一体で積み上げられるかです。

タイでいま起きているのは、まさにその“面”での投資です。The Nation Thailandによると、タイ投資委員会(BOI)が承認したEV関連案件は198件、総額1370億バーツ超に達しました。タイはASEANの販売市場というより、生産ハブとしての厚みを増しています。

 

何が起きたか

記事によると、タイのEV投資承認は2026年5月時点で198件、1370億バーツ超に達しました。内訳はBEVが18案件で395億バーツ、HEVが7案件で299億バーツ、PHEVが7案件で94.29億バーツ、その他EVが18案件で31億バーツです。

さらに電池・蓄電システムに335億バーツ、主要EV部品に125億バーツ、充電・バッテリー交換に97.88億バーツが向かっています。充電関連だけで全国2万2900口超、うち1万口超の急速充電器整備を支える計画です。メルセデス、BYD、AION、長安、BMW、Hyundai Mobilityなどの生産立ち上がりも進み、雇用は1万6000人超に広がっています。

 

なぜ重要か

重要なのは、タイが「補助金でEV販売を押す国」ではなく、「EVを作って流す国」へ重心を移していることです。完成車だけでなく、電池、部品、充電網まで同時に厚くすることで、メーカーにとって参入しやすい供給網を形成しています。

この積み上げが進むと、ASEAN向けの輸出・現地販売・部品調達をタイ起点で組み立てる企業が増えます。地域ハブ争いでは、単発の大型工場よりも、周辺産業とインフラを含むエコシステムの完成度が重要です。タイはそこを先に押さえにいっています。

 

日本から見た意味

日本から見ると、タイは従来のピックアップトラックやエンジン車の生産拠点から、EV時代の地域ハブへ再定義されつつあります。日本メーカーやサプライヤーにとっては、タイを単なる現地法人の拠点ではなく、ASEAN全体の供給網再設計の基点として見る必要があります。

また、この数字はBOIベースの投資承認であり、すべてが同じ速度で収益化するわけではありません。それでも、完成車からインフラまで案件が同時進行している点は、ASEANの中でタイが一歩先に出ていることを示しています。

 

まとめ

タイの強みは、1つの工場ではなく、EVの供給網そのものをまとめて厚くしていることです。198件・1370億バーツという数字は、タイがASEANのEV生産ハブを本気で取りに行っていることを示す、かなり重い材料だと言えます。

 

出典

  • Canonical Source: The Nation Thailand
  • Extraction Source: The Nation Thailand (BOI/EV Board reporting)
  • URL: https://www.nationthailand.com/business/automobile/40068192
  • Published: 2026-07-03 JST
  • Note: The Nation Thailandの記事を本文確認元として採用。BOIとEV Boardの説明をベースにした投資進捗報道。

2026年7月4日 09:22 より抜粋

【中国】NEVはなぜ「原油高+輸出」で再加速したのか?

中国NEVはなぜ「原油高+輸出」で再加速したのか 6月卸売22%増が示すガソリン車失速

 

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中国自動車市場の注目点は、もはや「EVが伸びている」という一般論ではありません。今回の6月データが示したのは、ガソリン車の需要鈍化と輸出拡大が同時に進み、中国市場の重心そのものがNEVへ傾いていることです。

CnEVPostが伝えたCPCAの試算では、6月の中国NEV卸売は151万台と前年同月比22%増、前月比でも12%増となりました。単月の強さだけでなく、どの要因で伸びたのかを見ると、中国メーカーの次の勝ち筋が見えてきます。

 

何が起きたか

CPCAによると、6月の中国NEV卸売は151万台に達し、全体の乗用車市場を上回るペースで拡大しました。背景として挙げられたのは、原油高、供給最適化、そして輸出の急増です。

ホルムズ海峡まわりの輸送混乱を受けて中国の精製油価格が高止まりし、ガソリン車の維持コストが上昇しました。その一方でメーカー側はガソリン車の生産能力をNEVへ振り替え、海外では低燃費・低コストの中国NEV需要が拡大。5月のNEV輸出は42.4万台、前年同月比112.6%増、乗用車輸出の54%を占める過去最高水準でした。

 

なぜ重要か

重要なのは、NEVの成長が補助金頼みの一過性ではなく、燃料価格、供給体制、海外需要という複数の要因で支えられていることです。中国市場では「ガソリン車からNEVへ」の置き換えが価格面でも産業面でも加速していると読めます。

企業別でもその流れは明確です。BYDは39万7292台、吉利は15万8849台、奇瑞は10万6900台、Leapmotorは9万3376台で、テスラ中国の8万9091台を上回りました。NioとXpengも年初来最高を更新した一方、Li Autoは3万895台で前年割れとなり、全社が同じ恩恵を受けているわけではありません。

 

日本から見た意味

日本から見ると、中国勢を「国内市場で強い低価格メーカー」とだけ捉える見方はもう古くなっています。輸出が生産を押し上げる局面に入ったことで、中国メーカーは東南アジア、中東、欧州、中南米まで含めた広域競争の前提で動き始めています。

日本メーカーにとっての論点は、中国販売の単月数字ではなく、中国勢がどれだけ海外で量産効果を積み上げられるかです。輸出が伸び続ければ、価格競争力だけでなく、部材調達、物流、現地販売網の厚みでも差が広がります。

 

まとめ

今回のニュースの本質は、NEVが単に売れているという話ではありません。原油高でガソリン車が不利になり、輸出が生産を押し、各社がNEVへ設備を寄せることで、中国市場の構造転換が一段深まったことです。6月の22%増は、その転換点を示す数字として重い意味を持ちます。

 

出典

  • Canonical Source: CnEVPost
  • Extraction Source: CnEVPost
  • URL: https://cnevpost.com/2026/07/02/cpca-china-jun-2026-nev-wholesale/
  • Published: 2026-07-02 21:49 JST

2026年7月3日 11:07 より抜粋

【北米】USMCA再交渉で北米自動車はどう変わるのか?

USMCA再交渉で北米自動車はどう変わるのか フォードが求めた「国内生産優遇」の本音

 

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北米の自動車貿易をめぐる争点は、単に関税を上げるか下げるかではなくなりつつあります。USMCA再交渉で前面に出てきたのは、「誰が本当に米国内で作っているのか」という生産比率の問題です。

CNBCでフォードのジム・ファーリーCEOが語ったのは、その本音でした。国内生産の多いメーカーが報われ、輸入依存の高い競合には不利な条件を課すべきだという主張は、北米自動車の次の競争ルールを先取りしています。

 

何が起きたか

ファーリー氏は、USMCA再交渉にあたってフォードのように米国内で多くを生産する企業が有利になる「より公平な競争条件」を求めると表明しました。対象として意識されたのは、米国内販売では大きい一方、輸入車比率も高いGMやトヨタです。

記事によると、2025年の米国販売に対する輸入台数はGMが117万台で41%、トヨタが119万台で47%でした。これに対しフォードは、米国内で200万台超を組み立て、60超の海外市場向けに31.1万台を輸出する一方、輸入は37.8万台で販売の17%にとどまっています。

 

なぜ重要か

このニュースが重いのは、USMCA再交渉の論点が「三国で協定を続けるか」だけでなく、「どの企業モデルを優遇するか」に踏み込んできたからです。輸入依存が高い企業は、販売台数が多くても政治的には不利になりやすくなります。

しかもトランプ政権は協定を延長せず、2036年まで年次見直しに入る道を選びました。自動車産業は対隣国貿易の18%を占める中核分野であり、再交渉が長引けば投資・雇用・調達先の見直しが同時進行で起こる可能性があります。

 

日本から見た意味

日本の読者にとって重要なのは、北米での勝負が販売力だけでは決まらなくなることです。日本メーカーはこれまでブランド力、商品力、価格で米国市場を競ってきましたが、今後は「どこで作ったか」が同じくらい重い評価軸になります。

とくにトヨタのように販売規模が大きくても輸入比率の議論に巻き込まれる場合、現地生産比率、部品調達、サプライチェーンの見直しが経営課題として前面化します。北米は巨大市場であると同時に、地政学的な産業政策市場になりつつあります。

 

まとめ

USMCA再交渉の本質は、自由貿易協定の延長可否だけではありません。米国で多くを作る企業をどう優遇し、輸入依存の高い企業をどう扱うかという新しい競争ルールづくりです。ファーリー発言は、そのルール変更がすでに始まっていることを示しました。

 

出典

  • Canonical Source: CNBC
  • Extraction Source: CNBC
  • URL: https://www.cnbc.com/2026/07/02/ford-jim-farley-usmca.html
  • Published: 2026-07-02 20:35 JST

2026年7月3日 11:05 より抜粋

【欧州】EVの「Made in Europe」はどこまで可能か?

欧州EVの「Made in Europe」はどこまで可能か 部品7割超の現実味と雇用リスク

 

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欧州自動車の競争力をめぐる論点は、中国車をどう防ぐかだけではありません。むしろ今は、欧州の中でどこまで部品を作り切れるのか、その基準をどこに置くのかが焦点になっています。

CLEPAが7月2日に出したリリースは、電動車でも「Made in Europe」をかなり高い水準で実現できると主張しました。これは業界の要望書に見えて、実際には欧州の雇用・投資・調達戦略をめぐるかなり重い論点です。

 

何が起きたか

CLEPAとRoland Bergerの分析では、欧州委員会の手法に沿って計算した場合、PHEVの欧州コンテンツ比率は89%、BEVでも83%に達しうるとされました。内訳としては、PHEVで74%が主として欧州製、さらに15%が大部分欧州製、BEVでは68%と16%でした。

CLEPAは、欧州委員会が部品基準ではなく車両全体の定義へ寄せて「Made in Europe」基準を緩めると、1ポイントごとに最大1.5万人の雇用が危うくなると警告しています。産業競争力を守るなら、部品をどこで作るかを曖昧にしてはいけないという主張です。

 

なぜ重要か

重要なのは、この議論が単なるスローガンではなく、どの工程を欧州域内に残すかという産業政策そのものになっている点です。完成車だけ欧州で組み立てても、肝心の部品が域外に流れれば、雇用も技術基盤も残りません。

一方でCLEPA自身も、Industrial Accelerator Actだけで十分とは言っていません。電動車や電子部品の一部では域外調達がまだ多く、競争力を維持するには制度だけでなく、投資環境や製造立地としての魅力を高める構造対策が要るという認識です。

 

日本から見た意味

日本から見ると、欧州は「販売市場」としてだけでなく、「どこまで現地化を求める政策圏か」という視点で見る必要があります。欧州向けの完成車や部品を扱う企業ほど、将来はローカル調達比率の要件に影響されやすくなります。

また、この話は欧州の保護主義強化と同時に、サプライヤー主導の産業再編でもあります。日本の部品メーカーにとっては、欧州で生産基盤を持つことの価値が上がる一方、域外供給だけでは取りにくい案件が増える可能性があります。

 

まとめ

CLEPAの主張は、欧州EVでも7割超の域内部品化はすでに現実的であり、基準を緩めると雇用も投資も逃げるというものです。欧州市場では今後、関税よりも「何をどこで作るか」の定義が競争力を左右する。今回のリリースは、そのルールづくりが本格化していることを示しています。

 

出典

  • Canonical Source: CLEPA
  • Extraction Source: CLEPA press release
  • URL: https://www.clepa.eu/insights-updates/press-releases/made-in-europe-over-70-european-content-is-already-possible-why-settle-for-less/
  • Published: 2026-07-02 19:44 JST

2026年7月3日 11:04 より抜粋

【欧州】EUの「欧州製優遇」は英国工場を締め出すのか?

EUの「欧州製優遇」は英国工場を締め出すのか Brexit後最大級の自動車リスク

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欧州の自動車政策は今、中国製EVへの対抗を軸に急速に組み替えられています。ただし、その防衛策がそのまま欧州の産業競争力を高めるとは限りません。むしろ今回の論点は、EUが英国を切り離すことで自分の供給網まで傷つけかねないという逆説にあります。

The Guardianによると、EUの自動車業界団体ACEAは、英国・トルコ・モロッコを新しい「Made in Europe」ルールから排除しないよう求めました。中国対抗の制度が、Brexit後の英国工場にとって最大級の打撃になりうるからです。

 

何が起きたか

欧州委員会は、補助金や公共調達でEU域内製を優遇する産業政策を検討しています。ACEAはこれに対し、英国、トルコ、モロッコに対しては「正当で限定的な例外」を認めるべきだと主張しました。

記事では、英国の工場で作られた車や部品がEU製と同等に扱われなければ、英国組立車は欧州の主要市場から事実上締め出される恐れがあるとされています。BMW、Volkswagen、Stellantisなど欧州資本の工場も英国に多く、単純な対英排除では済みません。

 

なぜ重要か

このニュースが重要なのは、中国を防ぐための政策が、欧州の既存投資や域内外の統合供給網まで毀損しかねないからです。欧州の自動車産業はEU加盟国内だけで閉じておらず、英国、トルコ、モロッコを含めて広く最適化されてきました。

そのため、制度上「EU産」でないという理由だけで優遇対象から外せば、補助金の配分、公共調達、部品調達、工場の稼働率まで連鎖的に悪化します。中国対抗の旗を掲げながら、自分たちの生産網を細らせる可能性があるわけです。

 

日本から見た意味

日本メーカーにとっては、欧州戦略が販売だけでなく制度適合の勝負になっていることを再確認させる材料です。英国生産、EU販売、電池調達、補助金適格性が一体で決まるなら、工場立地の意味はこれまで以上に重くなります。

また、欧州の保護主義は中国メーカーだけを狙ったものではなく、制度の線引き次第で既存プレーヤーにも跳ね返ります。欧州での事業は、関税や販売台数以上に、どの政策圏に入れるかが競争力を決める時代に入っています。

 

まとめ

EUの「欧州製優遇」は、中国対抗としては分かりやすい政策です。しかし、自動車産業では線を引く相手を間違えると、自国の供給網まで切ってしまう。今回の論点はまさにそこにあり、英国工場の扱いは欧州産業政策の成熟度を測る試金石になりそうです。

 

出典

  • Canonical Source: The Guardian
  • Extraction Source: The Guardian(Google News経由の表示で本文確認)
  • URL: https://www.theguardian.com/business/2026/jul/01/eu-rules-threaten-to-shut-out-uk-car-manufacturers-motor-industry
  • Published: 2026-07-01 22:53 JST

2026年7月2日 14:07 より抜粋

【北米】北米自動車はUSMCA再交渉に耐えられるか?

北米自動車はUSMCA再交渉に耐えられるか 関税より重い「原産地ルール」の不確実性

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北米自動車市場の次の大きな論点は、新車の売れ行きやEV補助金だけではありません。むしろ厄介なのは、部品や完成車がどこの国で、どの比率で作られたのかという、見えにくい供給網のルールです。

CNBCによると、米国・カナダ・メキシコのUSMCAは期限までに延長されず、年次見直しの段階に入りました。自動車業界は、北米の統合市場がそのまま続くのか、それとも米国中心へ再設計されるのかを見極める局面に入っています。

 

何が起きたか

今回のポイントは、3カ国が16年延長に進まず、毎年の見直しプロセスへ移ったことです。記事では、自動車産業が3カ国間貿易の約18%を占める重要分野であり、協定の先行き不透明化が投資や雇用に悪影響を与えかねないと指摘されています。

特に焦点となっているのが原産地ルールです。現行USMCAでは乗用車・ライトトラックの地域価値比率75%が北米由来であることが求められますが、トランプ政権はそれを82%へ引き上げ、さらにその半分を米国内生産に近づける方向を志向していると報じられています。

 

なぜ重要か

この問題が重いのは、関税の有無よりも、サプライチェーンをどう作り替えるかに直接跳ねるからです。いまの北米自動車は、米国・メキシコ・カナダの国境をまたいで部品と完成車が何度も行き来する前提で成り立っています。

もし米国比率の厳格化や部品原産地の再定義が進めば、企業は新しい調達、認証、物流、工場配置の見直しを迫られます。これは単発の関税より長く効くコストであり、北米生産の収益構造そのものを変えます。

 

日本から見た意味

日本メーカーにとっても他人事ではありません。トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、SUBARUのいずれも、北米を単一の巨大市場としてではなく、域内分業で最適化された生産地域として使ってきました。原産地ルールが動けば、その前提が揺らぎます。

今後は「どの車を売るか」以上に、「どの部品をどこで作り、どの国で最終組立するか」が企業価値に直結します。北米戦略は販売計画ではなく、地政学込みの供給網設計に変わりつつあります。

 

まとめ

USMCAの延長見送りは、北米自動車産業にすぐ大混乱を起こすニュースではありません。しかし、水面下ではより大きな変化の始まりです。次の勝負は関税を払うかどうかではなく、北米のルール変更に耐えられる供給網を誰が先に組み直せるかに移っています。

 

出典

  • Canonical Source: CNBC
  • Extraction Source: CNBC
  • URL: https://www.cnbc.com/2026/07/01/automakers-usmca-trade.html
  • Published: 2026-07-01 21:30 JST

2026年7月2日 14:05 より抜粋

【中国】EVはなぜ「国内競争」から「輸出勝負」へ移ったのか?

中国EVはなぜ「国内競争」から「輸出勝負」へ移ったのか 6月販売で見えた勝者と失速組

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中国の自動車ニュースを見るとき、いま最も重要なのは「誰が何台売ったか」だけではありません。6月の販売実績から見えてきたのは、国内の値下げ競争を耐えながら、海外で伸ばせる企業だけが次の主役になりつつあるという構図です。

CnEVPostがまとめた6月実績では、BYD、吉利、長城汽車のように輸出を強く伸ばす企業と、プレミアム領域で苦戦する企業の差がかなりはっきりしました。中国EV市場は、量の競争から構造変化の局面へ進んでいます。

 

何が起きたか

6月の販売実績では、BYDが40万3472台、吉利が24万799台、長城汽車が10万8080台を記録しました。目を引くのは国内よりも海外です。BYDの海外販売は17万5349台と前年同月比94.73%増、吉利の海外販売は10万2874台で初めて月10万台を突破、長城の海外販売も6万168台と大きく伸びました。

一方で新興勢では、Leapmotorが9万3376台で月次過去最高、Nioが4万597台、Xpengが4万126台と年初来高水準を付けました。対照的に、Li Autoは3万895台で前年同月比14.84%減、Huawei系HIMAも前年割れとなり、プレミアム帯の競争圧力が残っています。

 

なぜ重要か

重要なのは、国内販売が全面的に強いわけではない点です。BYDの国内販売は前年同月比で減少し、吉利や長城も国内では鈍さが出ています。それでも全体の数字を保てるのは、輸出が埋め合わせ以上の役割を果たしているからです。

つまり中国の自動車競争は、単なる国内値下げ合戦から、海外販路・現地展開・供給力を持つ企業が優位に立つフェーズへ移りました。販売台数の見かけ以上に、「どこで伸びているか」が勝敗を分け始めています。

 

日本から見た意味

日本から見ると、この変化は中国メーカーを「中国国内で強い会社」とだけ見ていては足りないことを意味します。輸出が成長の主役になるなら、競争相手は中国市場の中ではなく、東南アジア・中東・欧州・中南米まで含めたグローバル市場で現れます。

特にBYDや吉利のように海外販売を大型化できる企業は、価格だけでなく、物流、販売網、現地生産、為替耐性まで含めて強くなります。日本メーカーも中国販売の数字だけではなく、中国勢の輸出比率や地域別展開を見る必要があります。

 

まとめ

6月の中国自動車販売は、勝者と敗者の単純なランキングではなく、中国EV産業の重心が国内から海外へ移っていることを示しました。輸出を伸ばせる企業が次の勝ち組になり、国内競争だけに閉じた企業ほど苦しくなる。その構造変化こそが今回の本当のニュースです。

 

出典

  • Canonical Source: CnEVPost
  • Extraction Source: CnEVPost
  • URL: https://cnevpost.com/2026/07/01/jun-2026-deliveries-chinese-automakers/
  • Published: 2026-07-01 22:49 JST

2026年7月2日 14:03 より抜粋

【欧州】英国EVはEU関税を回避できるのか?

英国EVはEU関税を回避できるのか 2027年に14億ポンド負担という警告の重み

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欧州市場のEV競争は、補助金や販売台数だけでなく、通商ルールそのものが勝敗を左右する局面に入っています。今回、英国の自動車業界団体SMMTが出した警告は、その現実をかなり生々しく示しました。売れる車を作るだけでは足りず、どこで部材を調達し、どの地域のルールで認定されるかまでが競争条件になるからです。

SMMTは6月30日、英国自動車産業がZEV義務化の負担と通商リスクの両面で圧迫されていると警告しました。特に英EU間の原産地規則が厳格化されると、2027年だけで約14億ポンドの関税負担が発生しうるとしています。

 

何が起きたか

焦点は、EU・英国の貿易協定に基づく原産地規則です。SMMTによると、2027年1月からより厳しい要件が適用されると、英EU間で取引されるBEVとPHEVの約7割に10%関税がかかる可能性があります。業界は、電池や主要部材の現地調達比率要件を現実に合わせて調整しなければ、多くの車種が価格競争力を失うとみています。

加えてSMMTは、EU側で検討される「Made in Europe」色の強い制度設計が進めば、英国製自動車は欧州市場でさらに不利になりかねないと訴えています。単なる一時的なコスト増ではなく、英欧のEV供給網そのものが分断されるリスクがあるというわけです。

 

なぜ重要か

重要なのは、この問題が英国だけの話ではなく、欧州EV競争のルール設計そのものに関わるからです。EVは電池サプライチェーンの地域性が強く、完成車の価格競争力は車両工場だけでなく、セル、材料、組立地、通関条件の組み合わせで決まります。

もし10%関税が広く発動されれば、価格が上がるだけでなく、採算の薄い車種から販売が難しくなります。結果として、欧州の消費者は選択肢を失い、メーカーは投資判断を見直し、英国工場の位置づけも揺らぎます。EV移行を急ぐ政策と、実際の調達構造が噛み合っていないことが露呈しているとも言えます。

 

日本から見た意味

日本メーカーにとって示唆的なのは、欧州で競争するうえで完成車の魅力だけでは不十分だということです。どこで作るか、どの部材をどこから調達するか、規則変更にどう耐えるかまで含めて、商品戦略そのものになります。

英国とEUの関係は特殊に見えても、実際には今後の地域ブロック化や保護主義の先行事例です。日本勢が欧州でEVを広げるなら、販売網だけでなく、原産地規則と電池調達までを一体で設計する必要があります。

 

まとめ

SMMTの14億ポンド警告は、欧州のEV競争が「良い車を出せば勝てる」段階を過ぎたことを示しています。通商ルールが変われば、価格、採算、投資、供給網のすべてが動く。英国EVをめぐる緊張は、欧州全体の電動化戦略の弱点を映すニュースでもあります。

 

出典

  • Canonical Source: SMMT
  • Extraction Source: SMMT(同日声明)
  • URL: https://www.smmt.co.uk/automotive-calls-for-urgent-action-as-zev-targets-and-trade-threats-put-sector-at-risk/
  • Published: 2026-06-30 JST

2026年7月1日 17:04 より抜粋

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