CARNORAMA JAPAN -Automotive Views – Trends – Ideas – カノラマジャパン株式会社

ニュースNews

カノラマは設立以来、新聞・専門誌・インターネットニュースソースなど国内外の様々なメディアに対してナレッジを提供して参りました。これは、メディアを通して自動車産業の発展に寄与するという目的で実施されています。これまで配信されたニュース・トピックを貴社の戦略にご活用いただければと思います。過去の注目ニュースを掲載していますので、内容を詳しくお聞きになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。


【中国】農村から広がる中国EV普及、2026年の「新エネルギー車下郷」政策を読む

中国で、EVやPHEVを中心とする新エネルギー車の普及をさらに押し広げる新しい動きが出てきました。

工業情報化部や商務部など5部門は、2026年の「新エネルギー車下郷(農村普及)」キャンペーンを実施すると発表しました。今回のポイントは、単に地方で販売促進イベントを開くという話ではありません。

注目すべきは、

  • 農村部でも買い替え補助を使いやすくすること
  • 旧車の査定・回収から補助金申請までをワンストップ化すること
  • 充電・電池交換・金融・保険まで含めて利用環境を整えること

つまり「売る」だけでなく、「買い替えやすくし、使い続けやすくする」ところまで政策の射程に入っているわけです。

今回の政策で何が打ち出されたのか

発表された通知によると、2026年の新エネルギー車下郷では、農村部の消費者が補助制度をより使いやすくなるよう、買い替え促進の専用エリアを設置します。

そこで行われるのは、

  • 補助金制度の案内
  • 旧車の検査・査定・回収
  • 補助金申請手続きの代行

といった一連のサービスです。

これまで制度があっても、「申請が面倒」「どこで相談すればいいか分からない」という壁は大きかったはずです。今回はその実務面のハードルを下げにきた印象があります。

さらに、農村部で新エネルギー車へ買い替える消費者は、政策要件を満たせば補助金を申請でき、補助資格の件数制限も設けないとしています。

本当の狙いは「販売イベント」ではなく利用環境づくり

今回の通知で重要なのは、販売店だけではなく、周辺サービスまで一緒に農村部へ持ち込もうとしている点です。

対象として挙がっているのは、

  • 新エネルギー車の販売拠点
  • アフターサービス・整備企業
  • 充電・電池交換サービス企業
  • 保険会社や融資などの金融サービス企業

です。

これはかなり現実的です。地方でEV普及が進まない理由は、車両価格だけではありません。

「買った後に困らないか」「充電はどうするのか」「故障時にどこで整備するのか」「保険やローンは組みやすいのか」――こうした不安が残る限り、補助金だけで一気に普及するのは難しい。

今回の政策は、その弱点を埋めようとしているように見えます。

技術面でも農村向けの布石を打っている

通知では、農村地域での活用を進める技術として、

  • スマートコネクテッド技術
  • 新型の充電・電池交換技術
  • 「光・蓄・充」一体化
  • 車網互動(V2G的な車と電力網の連携)

などにも触れています。

ここはかなり重要です。

都市部では充電インフラの整備が進んでいても、農村部ではまだ「家の近くで安定して使えるか」が最大の論点になりやすい。そこで、充電だけでなく、分散型エネルギーや電力網との連携まで含めて考えているのは、中国らしい大規模普及政策だと感じます。

中国のEV競争は、都市部の次の段階に入った

これまで中国の新エネルギー車市場は、大都市圏での競争や、価格競争・高機能化が話題の中心でした。

しかし今回の政策を見ると、焦点は次の段階へ移っています。

それは「都市で売れるか」ではなく、「地方までどれだけ深く浸透させられるか」です。

中国市場では、すでに新エネルギー車が主流化しつつあります。となれば、今後の成長余地として大きいのは、まだ普及余地の残る県域・農村部です。今回の下郷政策は、そのラストマイルを本気で取りに行く施策だと言えそうです。

日本から見ると何が面白いのか

日本からこの動きを見ると、単なる販売促進策以上の意味があります。

第一に、中国では自動車政策が「産業政策」「消費刺激策」「インフラ政策」「地方活性化策」と一体で動いていることが改めて分かります。

第二に、EVの普及は都市だけで完結しないという現実です。真の普及には、補助金だけではなく、整備・保険・金融・充電を束ねた総合設計が必要になります。

第三に、農村部まで巻き込めるかどうかが、中国メーカーの次の成長余地を左右する可能性が高いことです。もしここで地方浸透が進めば、中国の新エネルギー車市場はさらに裾野を広げることになります。

まとめ

今回の「2026年新エネルギー車下郷」政策は、単なる地方向けキャンペーンではありません。

ポイントを整理すると、

  • 農村部でも買い替え補助を使いやすくする
  • 査定・回収・申請代行をまとめてワンストップ化する
  • 充電、整備、保険、金融まで含めて利用環境を整える
  • 地方市場を次の成長エリアとして本格開拓する

という構図です。

都市部での普及が進んだ次に、中国は農村部の自動車市場までEV化の波を広げようとしている。

この政策は、その本気度をかなり分かりやすく示しているように見えます。


出典

  • 腾讯新闻 / 財聯社
  • 原題:五部门:开展2026年新能源汽车下乡活动 深入推进汽车以旧换新进乡村
  • 記事URL:https://news.qq.com/rain/a/20260618A04Z4B00?adChannelId=auto

※本稿は上記ニュース内容をもとに、日本語で読みやすく再構成しました。

2026年6月18日 16:51 カノラマ世界の最新ニュースより抜粋

【欧州】Xiaomi EVがドイツへ? 中国車の“並行輸入ルート”が市場を揺らしそうな理由

ドイツの自動車市場で、ちょっと面白い動きが出てきました。

現地報道によると、輸入事業者のAutoheldenが、Xiaomiをはじめとする複数の中国ブランド車をドイツへ持ち込む計画を進めているようです。対象にはXiaomi SU7 / YU7だけでなく、Zeekr、Avatr、Jetourといったブランドも含まれます。

ポイントは、単なる「中国EV上陸」のニュースではないことです。

今回の話は、

  • ドイツ市場で中国車の存在感がさらに強まる可能性
  • 正規進出前に“輸入ルート”で先に市場を開く動き
  • アフターサービスや保証まで含めた販売網構築
  • Xiaomi側は協業を否定しているという、やや複雑な構図

といった論点をまとめて含んでいます。

中国車の欧州進出が次の段階に入ったことを感じさせるニュースです。

何が起きているのか

CHIP(出典元はecomento)によると、輸入業者Autoheldenは、中国ブランド車をドイツおよび欧州市場へ投入する計画を進めています。

中心になるのは、XiaomiのEVであるSU7とYU7。さらに、Zeekr 8X / 9X、Avatr 06 / 07 / 11 / 12、Jetour Dashing / X70 / T2といったモデル群も対象に含まれているようです。

同社は、最初のフルイヤーで欧州全体5万台規模の販売を目指し、そのうち約3分の1をドイツ市場で販売する想定だとされています。

かなり強気です。

ドイツ国内に80〜100拠点を整備する構想

特に目を引くのが、販売インフラの構想です。

記事によれば、ドイツ国内では80〜100拠点の整備が想定されています。単に車を輸入して売るだけではなく、販売店網を一定規模で組もうとしているわけです。

しかも、拠点同士の食い合いを避けるため、販売パートナー数をある程度制限する方針も示されています。

加えて、輸入業者側が行う業務には、

  • 通関
  • TÜV(ドイツの技術検査)対応
  • 車両の防錆・下回り保護

なども含まれるとされます。

つまり、単なる個人輸入の延長ではなく、「ドイツで売れる形に整えて流す」かなり本格的なモデルです。

面白いのは“売った後”まで設計していること

この計画でさらに重要なのは、アフターサービスまで視野に入れている点です。

Autoheldenは、既存の販売店だけでなく、追加の整備ネットワークも活用してサービス体制を広げる考えだとされています。保証はMobile Garantie Deutschlandと連携し、3年または12万km。定期的な整備入庫によって、最長6年まで延長できる仕組みも想定されているようです。

これは欧州市場ではかなり重要です。

中国車が欧州で伸びるとき、最大の壁のひとつは「買った後にちゃんと面倒を見てもらえるのか」です。価格やスペックだけで売れる段階は、もう過ぎつつあります。

その意味で、販売網だけでなく、整備・保証・部品供給を先に作ろうとしているのは、かなり現実的なアプローチに見えます。

部品が足りなければ空輸という力技も

記事には、部品供給に関する記述もあります。

通常の輸送は鉄道で25〜30日程度かかる一方、緊急時には不足部品を航空便で送る想定だといいます。かなりコストはかかるはずですが、立ち上げ初期に顧客満足を落とさないためには合理的とも言えます。

中国ブランド車の欧州展開では、販売よりもむしろアフターサービスの信頼性が問われやすいので、ここを重視しているのは納得感があります。

ただし、Xiaomiは協業を否定している

このニュースを一気に面白くしているのが、ここです。

記事によると、Xiaomi Germanyの広報は「XiaomiはAutoheldenと協業していない。法的措置を取る権利を留保する」とコメントしています。

一方で、Autohelden側は「問題は生じないとあらゆる面で確認している」として、比較的落ち着いた姿勢を見せています。車両の一部は中国でメーカーから直接、別の一部は仲介経由で調達すると説明しているようです。

ここはかなり示唆的です。

つまり今回の動きは、メーカー主導の正式なドイツ展開とは別ラインで、市場に先行して車両を流通させようとする試みでもあります。消費者にとっては選択肢が増える一方で、ブランド統制や法務、保証の整合性などではグレーな緊張感も残ります。

これは“ドイツ市場で中国車が本格的に存在感を持ち始める前触れ”かもしれない

このニュースの本質は、Xiaomi車が入るかどうかだけではありません。

もっと大きいのは、中国メーカーや中国系車種が、欧州での展開方法を多層化し始めていることです。

これまでは、

  • メーカーが正規法人を立ち上げる
  • 現地ディーラー網を作る
  • ブランド認知を高めながら展開する

という王道ルートが中心でした。

しかし今回は、輸入事業者が先に販売網とサービス網を組み、中国車の受け皿を作ろうとしている。これは市場開拓のスピードを一段上げる可能性があります。

しかも舞台がドイツです。

ドイツは欧州最大級の自動車市場であり、しかも地元にVW、BMW、メルセデス・ベンツという巨大プレイヤーがいます。そこに中国ブランドが価格・装備・スピード感で切り込んでくるなら、象徴的な意味はかなり大きい。

日本から見ると何が面白いのか

日本からこのニュースを見ると、少なくとも3つ面白い点があります。

1つ目は、中国EVの競争相手がもはや中国国内メーカーだけではなく、欧州本土の既存ブランドそのものになっていること。

2つ目は、メーカー正規進出だけでなく、輸入事業者経由という“横からの入り方”が広がり始めていること。

3つ目は、EV競争が車両性能だけでなく、保証・整備・部品物流といったオペレーション勝負に移っていることです。

この流れが進めば、欧州市場では「どの車が優れているか」だけでなく、「どのブランドが最も早く、きちんと売り切る仕組みを作れるか」がさらに重要になっていきそうです。

まとめ

今回のニュースは、単なる“Xiaomi車がドイツに来る”という話ではありません。

見えてくるのは、

  • 中国ブランド車の欧州進出がさらに加速していること
  • 販売網だけでなく、保証・整備・部品供給まで含めた本格展開が始まりつつあること
  • 一方で、メーカー公式ルートと輸入事業者ルートのズレも表面化していること

という構図です。

中国車の欧州進出は、もう「来るか来ないか」の段階ではなく、「どういうルートで、どれだけ早く浸透するか」のフェーズに入っているのかもしれません。

そして、その実験場のひとつがドイツになりつつある。

そう考えると、かなり見逃せないニュースです。


出典

  • CHIP / ecomento
  • 原題:Bis zu 100 Standorte geplant: Importeur will Xiaomi und weitere China-Autos nach Deutschland bringen
  • URL:https://www.chip.de/news/auto-fahrrad/bis-zu-100-standorte-geplant-importeur-will-xiaomi-und-weitere-china-autos-nach-deutschland-bringen_3b324a67-0280-402e-a064-d98b40d42406.html

※本稿は上記記事内容をもとに、日本語で読みやすく再構成しました。

2026年6月18日 16:50 カノラマ世界の最新ニュースより抜粋

【北米】テスラFSDは本当に安全なのか?米上院議員が問題視した“数字のマジック”

アメリカの自動運転・運転支援をめぐる議論で、またひとつ大きな動きが出てきました。

米民主党のエド・マーキー上院議員とリチャード・ブルーメンソール上院議員が、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)に対し、テスラのFull Self-Driving(FSD)が公表している安全性データを精査するよう求めたのです。

議員側は、その統計手法を「弱く、誤解を招くもの」と批判し、「緊急の安全上の問題」を生んでいるとまで表現しています。

ここで重要なのは、単に“テスラ叩き”の話ではないことです。

今回の争点は、

  • FSDは本当に人間より安全なのか
  • その比較の仕方はフェアなのか
  • 規制当局はメーカーの主張をどこまで検証しているのか

という、自動運転時代のかなり本質的なテーマに直結しています。

何が問題視されているのか

Automotive Worldの記事によると、議員らはNHTSAに対し、テスラの安全性統計を独自に検証したかどうか、またその裏付けとなる事故データを入手しているかどうかを問いただしています。

テスラはFSDについて、「人間のドライバーより7〜10倍安全」といった趣旨の主張をしてきました。

しかし、問題はその比較方法です。

Reutersの調査を踏まえた指摘では、テスラ側の数字は、FSD搭載車で発生した“エアバッグ展開を伴う比較的重大な事故”と、米国全体の“全事故レベルを含む平均的な事故率”を並べて比較しているとされます。

これでは、同じ物差しで比較していない可能性が高い。

しかも比較対象となる米国全体の車両群には、平均12年落ちの古い車も多く含まれます。一方で、テスラの車両は比較的新しく、安全装備も新世代です。

要するに、FSDの性能だけでなく、車そのものの新しさや装備差まで混ざった状態で「人間より安全」と見せている疑いがあるわけです。

“統計の見せ方”がそのまま安全性の誤認につながる

今回かなり重要なのは、議員らが単なる数字の誤差ではなく、「安全性の見せ方そのもの」が危険だと見ている点です。

もしドライバーが「FSDは人間より圧倒的に安全らしい」と受け取れば、監視を緩めたり、機能を過信したりする可能性があります。

つまり、誤解を招く統計は、PRの問題にとどまらず、実際の運転行動に影響し得る。

だからこそ彼らは「urgent safety problem(緊急の安全問題)」という強い表現を使ったのでしょう。

議員側が気にしている細かい論点も重い

記事では、議員らがNHTSAに確認を求めた論点として、いくつか具体的なポイントが挙げられています。

たとえば、

  • テスラの安全性計算で使われる「5秒のディスエンゲージ(解除)ウィンドウ」は妥当なのか
  • 通信が切れているときや車両通信系が損傷したとき、事故や安全イベントが集計から漏れないのか
  • テスラの主張を裏づける元データを、当局は本当に確認しているのか

といった点です。

こうした問いを見ると、論点はもはや“FSDが危ないか安全か”という単純な話ではありません。

「安全性の根拠が、どれだけ再現可能で監査可能なのか」という、監督行政の核心に入っています。

テスラの自動運転戦略には、すでに複数の規制圧力がかかっている

この件が重く見えるのは、テスラがすでに他の規制問題も抱えているからです。

Automotive Worldによれば、2026年にはカリフォルニア州DMVがAutopilotという名称を誤解を招くものだと判断し、テスラはそのブランド表現を引っ込めています。さらにNHTSAも、遅れたリコール対応をめぐる民事制裁を経て、独立した監視の目を入れている状況です。

加えて、テスラが将来の成長ドライバーとして期待しているロボタクシー構想も、まだ本格展開の許可を十分に得ているわけではありません。

つまり今のテスラにとって、安全性データへの疑義は単なるイメージ悪化ではなく、将来の事業認可や展開スピードに直接響く可能性があります。

本質は「自動運転の性能」より「説明責任」にある

このニュースを見ていて感じるのは、米国の自動運転競争が、もはや技術だけの勝負ではなくなっていることです。

もちろんアルゴリズムの性能や走行能力は重要です。

ただ、実際に社会実装が進むかどうかを決めるのは、

  • その技術がどれだけ安全か
  • その安全性を第三者が検証できるか
  • メーカーがどこまで透明に説明するか

という部分です。

テスラはこれまで、技術の先進性やスピード感で市場を引っ張ってきました。しかし、規制当局や議会が見ているのは“夢”ではなく、“説明可能な安全性”です。

今回の件は、そのズレが一段とはっきり見えた事例だと思います。

日本から見ると何が面白いのか

日本から見ると、このニュースには少なくとも3つ面白い点があります。

1つ目は、自動運転の競争が、ついに統計の設計やデータ開示の問題にまで進んでいること。

2つ目は、規制当局だけでなく、議会が直接“安全性の語り方”に介入し始めていること。

3つ目は、FSDのような先進運転支援機能が、商品価値の源泉であると同時に、企業リスクの源泉にもなっていることです。

これはテスラだけの問題ではありません。今後、他メーカーが高度運転支援や自動運転機能を売り込むときも、同じ問いを突きつけられるはずです。

まとめ

今回の米上院議員によるNHTSAへの要請は、単にテスラへの政治的圧力というだけではありません。

見えてくるのは、

  • テスラFSDの安全性主張に対する比較手法への疑義
  • 安全統計の見せ方が運転者の誤認を招くリスク
  • 自動運転時代における説明責任と規制の重み

という構図です。

自動運転の競争は、もはや「どの会社が一番すごいか」だけでは決まりません。

「どの会社が、自社の安全性を最も透明に、最も検証可能な形で示せるか」――その勝負に入りつつある。

今回のニュースは、その転換点をよく示しているように見えます。


出典

  • Automotive World
  • 原題:US senators urge NHTSA to scrutinise Tesla FSD data
  • URL:https://www.automotiveworld.com/news/us-senators-urge-nhtsa-to-scrutinise-tesla-fsd-data/

参考背景

  • Reuters investigation に言及あり

※本稿は上記記事内容をもとに、日本語で読みやすく再構成しました。

2026年6月18日 16:48 カノラマ世界の最新ニュースより抜粋

日産で日本の顧客離れ深刻、ブランド回復には時間-見通しに甘さも

経営再建を目指す日産自動車にとって、低迷を続ける国内市場が復活への妨げとなっている。経営の混乱が続く中でネガティブなイメージが定着したことが背景にある。会社側は下期に販売が好転すると強調するが、失われた信頼を取り戻せるか不透明感も残る。

「日産、完全に終わる」「日産遂に倒産3秒前」「日本を捨てた悲惨な末路」-。業績悪化が表面化し、決裂に終わったホンダとの経営統合交渉を巡るごたごたもあって昨年後半以降、SNS上では日産に批判的なこうしたタイトルの動画が大量に出回った。事実と異なる内容も含まれているが影響は大きい。

自動車調査会社、カノラマの宮尾健アナリストは「経営のごたごたで消費者への悪いイメージが定着してしまっている。いくらいいクルマ出しても日産の車だからというネガティブな印象はぬぐえない」とみる。特に最近のSNS上の悪意のある投稿は「買い控えに直結する」と話した。

2025年11月7日 14:02 Bloomberg Newsより抜粋

EV一色が様変わり、モビリティショーの展示が映す自動車業界の現在地

国内最大の自動車関連の展示会「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」が30日、東京ビッグサイトで開幕する。電気自動車(EV)市場の伸びが鈍化する中、EV一色だった2年前の前回からは様変わりする。

今回のJMSでは中国の比亜迪(BYD)が26年夏に導入を予定する軽EVのプロトタイプを発表し、注目を集めた。国内勢ではスズキも26年度に量産化を目指す軽EVのコンセプトモデルを初公開した。ホンダも9月に「N-ONE e:(エヌワンイー)」を発売しており、消費者にとっては選択肢が広がることになる。

自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストは、軽の購入層が重視するのは燃費の良さや車両価格の安さなどの経済性だと話す。しかし、軽EVにおいてはそれほど激しい価格競争にはならない可能性もある。

中国などで価格競争を仕掛けてきたことで知られるBYDだが、日本法人の東福寺厚樹社長は軽EVでは事情が異なると話す。

2025年10月29日 14:00 Bloomberg Newsより抜粋

‘Terrible fuel efficiency, no right-hand drive’: why trade deal won’t warm up Japan to American cars

 Takeshi Miyao, head of the Carnorama auto consultancy’s Tokyo office, also says no such hurdles exist for US imports.

“There are non-tariff barriers on rice [another sticking point in the trade negotiations], because the government feels it has to protect Japanese farmers, but not on vehicles,” he says.

US manufacturers like GM and Ford simply don’t focus on the Japanese market, according to Miyao. “They don’t really do any marketing, and often don’t even offer right-hand drive models. So the cars don’t sell.” Size is also a problem, Miyao notes. The Ford F-150 pickup is around six metres long and 2 metres high. That kind of vehicular behemoth is particularly ill suited to Japan’s narrow roads and tight parking spaces.

翻訳

自動車コンサルタント会社カーノラマの東京事務所の責任者である宮尾健氏も、米国からの輸入品にはそのようなハードルは存在しないと述べている。

「米には非関税障壁がある(貿易交渉のもう一つの問題点)。なぜなら、政府は日本の農家を守らなければならないと感じているが、自動車は守らなくてもよいからだ」と彼は言う。

宮尾氏によると、GMやフォードなどの米国メーカーは日本市場に焦点を当てていないという。「彼らは実際にはマーケティングを行っておらず、右ハンドルモデルさえ提供していないことがよくあります。だから車は売れません。」サイズも問題だと宮尾氏は指摘する。フォード F-150 ピックアップは、長さ約 150 メートル、高さ約 2 メートルです。この種の巨大車両は、日本の狭い道路と狭い駐車スペースには特に適していません。

2025年7月27日 22:38 The Guardianより抜粋

The U.S. has long wanted to sell more cars in Asia. Do Asian consumers want them?

Despite Trump’s accusations of unfairness, Japan has in fact kept tariffs on American cars at zero since 1978 in contrast to the U.S.’ 2.5%, and now, 25%. But several nontariff trade barriers exist, such as different electric-vehicle charging standards that in effect disadvantage American cars, or a requirement that all cars be equipped with an automatic emergency braking system.

Experts say the deeper issue is that Japanese consumer tastes, which have long favored compact cars suited for denser urban environments, are poorly reflected in American automakers’ bulkier product lines.

“Many people say that [American cars] don’t fit in parking lots or ‘are difficult to handle on narrow roads,’” said Felipe Munoz, an analyst at automotive research firm JATO Dynamics. “American cars are often perceived as ‘hobby cars’ or ‘cars for a niche audience.’”

In order to register new vehicles, Japanese drivers are required to obtain verification that they have access to an adequate parking space from the police. But with spaces much smaller compared with those in the U.S., about 40% of the Japanese automobile market is held by the kei car, a type of minicar unique to the country that the Japanese government has also promoted with tax benefits.

This, along with strong brand loyalty for domestic players, has led to foreign cars making up less than 10% of the Japanese auto market, with German manufacturers taking the lion’s share of that slice. Last year, only 0.3% — or around 16,000 — of all car sales were from American brands, according to the Japan Automobile Importers Assn.

Ultimately, the biggest source of U.S. automakers’ woes in Japan, according to Takeshi Miyao, a Tokyo-based auto analyst, is failing to adapt to local consumers.

Although European automakers such as Mercedes, for example, have been proactive in making adjustments like offering their cars in right-hand drive — the standard in Japan — American competitors have historically been reluctant to do so.

“The infrastructure in Japan cannot be adjusted,” Miyao said. “U.S. carmakers do not have the car variations suited to the Japanese market, and they haven’t put much effort into marketing. On the other hand, German carmakers put in very hard work into the Japanese market. For example, Mercedes-Benz Japan was planning a car that would sell in the Japanese market in more than 15 years.”

“Even if all the nontariff barriers to foreign automobiles in Japan were abolished, U.S. cars still wouldn’t be popular,” he added.

翻訳

トランプ大統領が不公平だと非難するにもかかわらず、日本は1978年以降、米国車への関税をゼロに維持している。これは米国の2.5%、そして現在では25%である。しかし、電気自動車の充電基準の違いなど、事実上米国車に不利な点がある、あるいはすべての自動車に自動緊急ブレーキシステムの搭載を義務付けるなど、非関税貿易障壁もいくつか存在する。

専門家らは、より深刻な問題は、長年、人口密度の高い都市環境に適した小型車を好んできた日本の消費者の嗜好が、米国の自動車メーカーの大型製品ラインにあまり反映されていないことだと指摘する。

「(アメリカ車は)駐車場に入らないとか、狭い道では扱いにくいとか言う人が多い」と、自動車調査会社JATOダイナミクスのアナリスト、フェリペ・ムニョス氏は語る。「アメリカ車は『趣味の車』や『ニッチな層向けの車』と思われがちだ」

日本では、新車を登録するために、適切な駐車スペースがあることを警察から証明してもらう必要がある。しかし、米国に比べて駐車スペースがはるかに狭いため、日本の自動車市場の約40%は軽自動車が占めている。軽自動車は日本独自の軽自動車であり、日本政府も税制優遇措置などで普及を促進している。

これに加え、国内メーカーへの強いブランドロイヤルティも相まって、日本の自動車市場における外国車の割合は10%未満にとどまり、その大部分はドイツメーカーが占めています。日本自動車輸入組合によると、昨年の販売台数全体のうち、アメリカブランドの車はわずか0.3%、つまり約1万6000台でした。

東京を拠点とする自動車アナリストの宮尾健氏によると、結局のところ、米国自動車メーカーが日本で苦境に陥る最大の原因は、現地の消費者のニーズに適応できていないことだという。

例えばメルセデスなどの欧州の自動車メーカーは、日本での標準である右ハンドル仕様の車を提供するなどの調整に積極的に取り組んでいるが、米国の競合他社は歴史的にそうすることに消極的だった。

「日本のインフラは調整できません」と宮尾氏は述べた。「アメリカの自動車メーカーは日本市場に適した車種を持っておらず、マーケティングにもあまり力を入れていません。一方、ドイツの自動車メーカーは日本市場に非常に力を入れています。例えば、メルセデス・ベンツ・ジャパンは、15年以上も日本市場で売れるクルマを企画していました。」

「たとえ日本における外国車に対する非関税障壁がすべて撤廃されたとしても、米国車は依然として人気が出ないだろう」と彼は付け加えた。

2025年7月18日 13:55 Los Angeles Timesより抜粋

日産野球部、16年ぶり復活に社員は歓喜-強豪東芝とあす対戦へ

今年16年ぶりに活動を再開した日産自動車硬式野球部が、都市対抗野球の地区予選を勝ち進み、8日の準決勝で強豪の東芝と対戦する。チームの復活は明るいニュースだが、本業の急速な悪化で全社的なリストラが進んでおり、嵐の中の再出発となった。
野球部の田川博之ゼネラルマネージャーは、選手も不安を感じていると思うが、「それは他の社員も同じ。目の前の仕事を一生懸命やるしかない」と話す。選手には野球に集中することが心配の払拭につながると声がけしているという。

中略

自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストは、日産野球部はトヨタ自動車のように有名アスリートを抱えていないため投資に見合うPR効果が期待できず、リストラが進む状況では「解散やむなし」との見方を示した。

2025年7月8日 13:30 Bloomberg Newsより抜粋

スズキ、逆輸入インド生産車でメルセデス超え-アメ車不人気変わらず

スズキが6月の輸入車販売で、日本で長年支持を集めてきた独メルセデス・ベンツを抑えて再びトップに立った。逆輸入するインド生産車の「ジムニー ノマド」がけん引役だ。魅力のある車種であれば生産地にこだわらない消費者の姿も浮かび上がる一方、米国車は低迷を続けている。

専門家からは、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォードなどの米国メーカーは市場に合わせた商品・仕様を作り込むという日系メーカーの姿勢を見習う必要があるとの声も上がる。実際、今年1-6月の実績ではオフロード性能などに定評がある「ジープ」が4000台超と健闘しているが、欧州に本社を置くステランティスの傘下だ。GMやフォードの車ははるかに少なく、不人気ぶりは変わっていない。

自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストは、日本の消費者は「その車が欲しければタイ生産だろうが、インド生産だろうが、日本生産だろうがあまりこだわっていない」と話す。その上で、GMやフォードの車が日本で売れないのは軽自動車など日本の消費者が求める商品を投入していないためで、トランプ氏の主張は「お門違いだ」と断じた。

 

“Japanese consumers don’t particularly care whether vehicles are produced in Thailand, India or Japan if they want a particular car,” said Takeshi Miyao, an analyst at automotive
consultancy Carnorama. He argues that General Motors Co., Ford Motor Co. and other US American carmakers aren’t able to gain traction in Japan because they don’t offer products such as smaller kei cars that appeal to local buyers.

2025年7月4日 11:56 Bloomberg Newsより抜粋

トヨタなどに迫る値上げ決断の時、関税交渉前進の糸口になる可能性も

日米関税交渉が行き詰まりの様相を呈している中、日系自動車メーカーが本格的な値上げに踏み切るか決断の時が迫りつつある。識者からは、あえて値上げをすることが関税交渉を前進させる糸口になる可能性もあるとの声も上がる。

価格転嫁を控える戦略は、米国の消費者に値上げによる悪印象を避けることはできても、日米の関税交渉に対しては逆効果になっている可能性もある。自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストは自動車メーカーが現段階で大幅な値上げに踏み切ることで、日米の交渉が好転する可能性もあるとの見方を示す。

トランプ関税により価格が上昇すれば「当然政府としても関税を上げると米国の経済が潤うという単純なシナリオではないと自覚せざるを得ない。それにより関税交渉に関しては変化が出てくる気がする」と宮尾氏は話した。

 

“If prices continue to rise due to Trump’s tariffs, the government will realize it’s not a simple scenario where raising tariffs benefits the US economy,” Takeshi Miyao, an analyst at automotive consultancy Carnorama, said. “This may lead to changes in tariff negotiations.”

“There’s no reason to continue cutting profits indefinitely to offset high tariffs when it’s unclear how long this situation will persist,” Carnorama’s Miyao said.

 

2025年7月3日 18:50 Bloomberg Newsより抜粋

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