経営不振に陥っている日産自動車が4月に就任したイバン・エスピノーサ社長兼最高経営責任者(CEO)の下で、再建に向けた取り組みを加速させている。追加の工場閉鎖や人員削減、大型投資計画の撤回など波紋も呼びかねない難しい決断を矢継ぎ早に下しており、業績回復は道半ばながら姿勢を評価する声も出ている。
「スピードを持ってやらないといけない」。エスピノーサ氏は横浜市内の本社での13日の会見でこう述べた。同日発表した新たな経営再建計画に関してはこれまでの計画について「冷静に見極め、厳しい目で精査した」結果、より多くの取り組みを実行して加速化しないといけないとの結論に至ったと説明した。
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自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストは決算発表前の取材で、巨額の損失計上の動きなどについて、日産を「本来の姿に戻すため、ネガティブな部分を包み隠さず出そうという意志の表れではないか」と評した上で、前任の内田誠氏ではできなかったことが「エスピノーサ氏はできるかもしれない」と期待を寄せる。
2025年5月14日 11:06 Bloomberg Newsより抜粋