軽自動車、高まる乗りかえ需要 値上げも相対的に安く

物価高や部材の高騰などを受けて、新車価格を引き上げる動きが相次いでいる。値上げを理由に車のランクダウンを検討する人も多い中、代替先の車種として軽自動車に注目が集まっている。決め手は相対的な「安さ」と、維持しやすい「お手軽さ」だ。

 

値上がり幅、普通車より小さく

「コンパクト車から軽自動車への乗り換えを検討している」。都内の60代女性は話す。子どもの独立で生活様式が変わり、短距離の車利用が増えた。「維持費を安く抑えられるのが魅力だ」という。

日本自動車工業会が2021年度にまとめた実態調査によると、軽自動車を選ぶ理由に利用者の6割が「税金の安さ」を挙げた。

普通乗用車より車両価格の上昇幅が小さい点もメリットの1つだ。総務省の小売物価統計調査によると、22年の軽自動車の平均小売価格は152万円と、18年比で8%値上がりした。その間に普通車は352万円と18%上昇し、ナンバープレートの分類番号が5や7から始まる小型乗用車は12%値上がりした。

「高級車の所有者は値上げにある程度適応できる半面、中価格帯の所有者では軽自動車に乗りかえる動きがある」。自動車調査会社カノラマジャパン(東京・練馬)の宮尾健代表取締役は指摘する。

2023年7月12日 09:58 日本経済新聞(2023/07/12、夕刊、2面)より抜粋

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