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欧州のEV戦略は、新型車を何年に出すかだけでは語れません。投資余力が細れば、ブランドを象徴する車種であっても開発の順番を見直す必要があるためです。
Automotive Worldは、VolkswagenがWolfsburgで進める電気自動車「ID. Golf」の開発を一時停止したと報じました。
記事によると、VWブランドのトーマス・シェーファーCEOは、必要な投資を現時点では負担できないとの趣旨を社内に伝えました。ID. Golfは、もともと2028年から2030年ごろへ投入時期が後ろ倒しになっていました。
背景にはPorsche持分の減損、中国での販売悪化、EV利益率の低下を含む第3四半期59億ユーロの営業損失があります。Xpengと共同開発したアーキテクチャーを使う案も報じられています。
GolfはVWの量販車を象徴する存在です。そのEV版が投資制約の対象になることは、技術の有無より、工場、ソフト、電池、地域需要へ限られた資金をどう配分するかが問題になっていることを示します。
一時停止は発売中止を意味しません。ただし競合が商品・ソフト・価格を更新する間、再開時にどのプラットフォームで原価を下げるかが競争力を左右します。
欧州OEMへ部品や技術を供給する日本企業は、車種別の発売計画だけでなく、OEM全体の投資余力と中国戦略を合わせて見る必要があります。
ID. Golfの一時停止は、電動化の単純な後退ではありません。限られた資金をどの車種・工場・基盤技術へ振り向けるかという欧州EVの再設計です。
2026年11月2日 10:33 より抜粋