us-hyundai-posco-louisiana-steel-20260916
北米での現地化は、工場を一つ建てれば終わる話ではありません。車体に使う鋼板までどこで作り、どの物流で届けるかが、関税、脱炭素、供給途絶のリスクを左右します。
MEXICONOWは、Hyundai SteelとPOSCO Groupによる合弁Hyundai-Posco Louisiana Steelが、ルイジアナ州で58億ドル規模の統合製鉄所の建設を始めたと報じました。
出資比率はHPLSが50%、POSCOが20%、HyundaiとKiaが各15%です。工場は728ヘクタールのRiverPlex MegaParkに建設され、2029年1〜3月期の操業開始、年産270万トン、直接雇用1,300人超を予定しています。
電炉を使うこの施設は、自動車用の低炭素鋼板を主に北米の自動車メーカー、とりわけHyundai Motor Groupへ供給します。会社は従来の高炉よりCO2排出を70%少なくできると説明しています。
重要なのは、完成車の組立ではなく素材を北米の自動車エコシステムに組み込む点です。深水港、鉄道、高速道路に近い立地は、原料の受け入れと鋼材配送の双方に効きます。
電池や半導体だけでなく、鋼板も地域供給網の競争力を左右します。低炭素素材を安定調達できれば、環境規制への対応とコスト・納期管理を一体で進めやすくなります。
日本企業にも、北米生産を完成車・部品だけで捉えない視点が必要です。素材、物流、再生可能エネルギーまで含めた現地供給網の設計が、将来の競争条件になります。
Hyundaiグループの投資は、米国で車を売るための工場増設を超えています。鋼板から現地化することで、北米の自動車産業により深く根を張ろうとする動きです。
2026年9月16日 10:07 より抜粋