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成長市場では、価格を抑えれば売れる――そんな前提が、部材コストの上昇で揺らいでいる。インドのタタ・モーターズは内燃機関車だけでなくEVも含めて値上げを決めた。EVの普及競争が続く市場で、メーカーは販売拡大と採算維持を同時に迫られている。
Fortune Indiaによると、Tata Motors Passenger Vehiclesは9月1日から乗用車とEVの価格を最大2万5,000ルピー引き上げる。モデル・仕様で幅を持たせるが、2026年に入って3回目の価格改定となる。会社は投入コストの上昇と継続するインフレ圧力を一部相殺するためとしている。7月にもICE・EVを対象に最大1.5%の改定を行い、4月にはICE車で平均0.5%の引き上げを実施していた。
CEOは第1四半期の原材料価格上昇が国内事業売上の約4.5%相当に達したと説明していたという。値上げはタタだけの動きではなく、Hyundai Motor Indiaも9月から最大1%の引き上げを予定する。成長市場の競争が激しくても、部材、物流、為替、インフレといったコストはEVだけを例外にしない。
日本勢にとってインドは数量成長が期待できる一方、低価格帯での収益設計が最も厳しい市場の一つだ。EVを「安い移動手段」として広げるには、車両価格だけでなく電池調達、現地部品、金融、残価までのコスト構造を下げる必要がある。値上げ局面は、その難しさを可視化する。
インドのEV市場は拡大しているが、メーカーがコストを無限に抱え込めるわけではない。価格転嫁の頻度は、需要の強さと採算の綱引きを示す指標になる。
2026年8月22日 09:05 より抜粋