asean-indonesia-thailand-auto-hub-toyota-20260809
ASEANの自動車産業で、タイの存在感は長く揺るがなかった。部品供給網、輸出インフラ、工場集積が厚いからだ。だがインドネシアは今、その差を認めたうえで、トヨタへの投資誘致を通じて「次の拠点」を取りに行こうとしている。
The Nation ThailandがThe Jakarta Postを引用して伝えたところでは、インドネシアのプルバヤ財務相はトヨタに対し、同国を地域自動車ハブとして位置づける投資を呼びかけた。記事は、タイがサプライヤー網、支援産業、輸出インフラで歴史的に先行していることを同相が認めたと報じる。
インドネシア側の対抗策は、単発の補助金だけではない。許認可の迅速化、官僚手続きの削減、狙いを絞った税・財政上の優遇を通じて、進出コストと制度不確実性を下げる方針だ。完成車工場を一つ呼ぶ競争から、部品・物流・人材まで含む供給網の競争へ論点が移っている。
日本企業にとって重要なのは、タイかインドネシアかを二者択一で考えることではない。両国の政策競争で投資条件が変われば、ASEAN全体をまたぐ調達、輸出、現地販売の配置を見直す余地が生まれる。トヨタへの呼びかけは、その競争の象徴的な一手だ。
タイの優位は依然として大きい。だからこそインドネシアは、同じ土俵で工場を奪い合うのではなく、制度コストと供給網の伸びしろで勝負しようとしている。ASEANの自動車地図は固定されたものではない。
2026年8月9日 11:06 より抜粋