eu-aftermarket-data-access-competition-20260807
EVとコネクテッドカーの時代に、修理市場の競争は部品価格だけで決まらない。診断ツール、技術情報、車両が生むデータに誰がアクセスできるかが、消費者の選択肢を左右する。
欧州委員会は、自動車アフターマーケット向けのMVBER(自動車分野の一括適用免除規則)と補足ガイドラインを2021〜2025年について評価し、分野特有の競争枠組みが引き続き重要だと結論づけた。評価は、独立事業者がスペア部品、技術情報、診断ツール、車両生成データへのアクセスで課題を抱えると指摘する。
電動化・デジタル化が進むほど、修理にはソフト機能、診断データ、部品コーディングが必要になる。そこを完成車メーカーだけが握れば、独立整備工場や部品供給者は競争できず、消費者の修理選択肢も狭くなる。EUはデータ法や型式認証だけではなく、アフターマーケット固有の競争ルールを併用する必要があるとみている。
日本企業にとって欧州の規制は、販売後のサービス設計にも及ぶ。車両ソフトや遠隔診断を収益化するほど、第三者への適正なアクセスをどう設計するかが問われる。完成車、整備網、部品会社が別々に考えるのではなく、データ利用のルールを商品企画から組み込む必要がある。
EUの今回の評価は、EV時代の競争政策が「工場」だけでなく「修理できる権利」に向かっていることを示す。車両データの扱いは、次のアフターマーケット競争力そのものになる。
2026年8月7日 12:55 より抜粋