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欧州の自動車メーカーはいま、中国で「売れなくなり」、欧州で「中国車を迎え撃つ」という二重の圧力にさらされています。問題は輸入関税だけではありません。競争の中心が価格、EVソフト、開発速度へ移ったことです。
Dao Insightsは、中国ブランドが欧州進出を加速させる一方、欧州勢が中国市場で苦戦している構図を整理しました。これは一国の販売不振ではなく、欧州メーカーの利益源と本国市場が同時に揺れる話です。
記事によれば、Volkswagenの中国販売は2026年第2四半期に37%減少。Mercedes-BenzとAudiも上期にそれぞれ28%、19%減りました。中国では国内ブランドのEVが価格と接続機能で強く、外国勢の優位が薄れています。
一方で中国ブランドはBYD、Geely、SAIC、Chery、Leapmotorなどを中心に、EVだけでなくハイブリッドも含めて欧州で販売網を広げています。記事は中国勢の欧州市場シェアが2025年に約6%へ倍増したと指摘します。
重要なのは、欧州勢が中国で稼いだ利益を欧州向け競争力の投資に回す循環が弱くなることです。中国での販売減は、次のEV・ソフト投資の原資を減らしかねません。
EUは関税、現地調達、低価格車、対中提携などを組み合わせて応じようとしています。しかし、制度だけで開発サイクルやコスト差を埋められるわけではありません。
日本メーカーにとって欧州は、中国勢と欧州勢の競争を第三者として見る市場ではありません。中国での競争力、欧州での価格と規制対応、現地販売網が一つの戦略に結び付く市場です。
今回の分析は報道ではなく分析記事ですが、二正面競争という問題設定は、日本企業が欧州の需要だけでなく競争相手の利益構造まで読む必要を示しています。
欧州の課題は中国車を止めることだけではない。中国で失った収益力を補いながら、欧州で新しい競争軸に対応できるか。二正面の戦いが本格化している。
2026年8月4日 11:15 より抜粋