中国市場で昨年販売された乗用車のうち、新エネ車、いわゆる電気自動車は、4割を超えた。今年5割に到達すると見込んでいる。電気自動車の最大手BYDは、同一モデルのBEVとPHEVで価格差を無くし、消費者に選択の余地を与えた。また、北京・上海・広州などの大都市の電動化率は7割を超えており、今後、新エネ車(BEVおよびPHEV)が中国市場を席巻することに疑いの余地はない。
電動化で他社との差別化手段をなくしたカーメーカー各社は、昨年後半より自動車の知能化(スマート化)に一気にシフトしてきた。中国市場では昨年、NOA(Navigation on Autopilot)搭載車が100万台を超え、P2P(ガレージから駐車場まで)の区間で、ハンドル操作・アクセルブレーキ操作を不要とする「都市NOA」を実装するモデルも数十万台のレベルに達する。また、車内を見ると、運転席から助手席までをカバーする巨大なディスプレイが横たわり、運転席以外の乗員が動画を鑑賞したり、移動中に通信カラオケを歌ったりという、我が国では考えられないような、車内エンターテイメントが消費者の注目を集めている。
中国政府は「中国製造2025」の旗印の元、急速に自動車産業を強化してきた。2015年当時のGOALであった「自動車強国」、つまり、中国が自動車産業で、生産規模のみならず技術的にも世界一になるということ。昨年から今年にかけての中国自動車市場における中国新勢力の台頭は、まさしく世界一の市場をリードする状況であり、BYDや吉利汽車などの既存勢力も存在感をさらに高めている。
弊社カノラマジャパンは、昨年4月に開催された「北京モーターショー2024」を起点として、新エネ車一本から新エネ車&智能車に変化した中国自動車市場を、1年間現地調査した。北京・天津・広州・上海・深圳など、最先端の技術開発を視察し、中国企業がどこまで進化しているか、これからどこへ向かおうとしているかを詳細にレポートする。
本レポートは、急成長する中国市場で苦戦を強いられる日系・欧米系OEMはもとより、新エネ車・智能車、SDVにコンポーネントやシステム提案を進めるサプライヤーのエンジニア、マーケッターそして経営層にぜひご高覧頂きたいと思います。
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2025年3月16日