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欧州のEV戦略は、新型車を何年に出すかだけでは語れません。投資余力が細れば、ブランドを象徴する車種であっても開発の順番を見直す必要があるためです。
Automotive Worldは、VolkswagenがWolfsburgで進める電気自動車「ID. Golf」の開発を一時停止したと報じました。
記事によると、VWブランドのトーマス・シェーファーCEOは社内メモで、必要な仕事を現時点では賄えないとの趣旨を伝えました。ID. Golfは既に投入時期が後ろ倒しになっていたとされます。
背景には、Porsche持分の減損、中国での販売悪化、EVの利益率低下を含む第3四半期59億ユーロの営業損失があります。Xpeng由来の中国アーキテクチャーを活用する案も報じられています。
GolfはVWの量販車を象徴する存在です。そのEV版が投資制約の対象となることは、技術の可否より、工場、ソフト、電池、地域需要へ限られた資金をどう配分するかが問題になっていることを示します。
開発停止は発売中止を意味しません。しかし競合が商品・ソフト・価格を更新する間、再開時にどのプラットフォームで原価を下げるかが競争力を左右します。
欧州のOEMへ部品や技術を供給する日本企業は、車種別の発売計画だけでなく、OEM全体の投資余力と中国戦略をあわせて見る必要があります。開発延期は受注時期と共同開発の前提を変えます。
ID. Golfの一時停止は、VWが電動化を単純に後退させたという話ではありません。限られた資金をどの車種・工場・基盤技術へ振り向けるかという欧州EVの再設計です。
2026年11月1日 14:49 より抜粋