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欧州の自動車政策は、EV比率の目標を置けば終わる段階ではない。製造業の雇用、電池を含む供給網、消費者の選択をどう一つの制度で扱うかが、競争力そのものを左右する。
欧州自動車工業会ACEAは10月14日、EUの自動車パッケージ交渉を来年早期にまとめるよう求めた。ACEAは、ゼロエミッション化を進めながら、経済安全保障と雇用維持を達成するには、現実的なCO2削減条件、再生可能燃料・グリーン素材の扱い、投資を実現する時間が必要だと主張する。具体策として、2028年からの5年平均メカニズム、バン向け軌道の調整、EU製のBEV・バンへのスーパー・クレジット、近隣国と英国を視野に入れたIndustrial Accelerator Actの地理的範囲を提起した。
これは規制緩和を求めるだけの話ではない。中国との貿易関係を調整する局面で、欧州内の新しい価値連鎖に投資が向かうかを左右する制度設計の論点だ。目標と罰則だけでは、充電、需要、部品、雇用を伴う移行を作れないというのが業界側の問題提起である。
欧州で事業を持つ日本メーカー・部品企業にとって、EU製の定義、優遇の対象、英国など周辺国の扱いは、工場・調達の配置に直結する。団体提言のまま採用されるとは限らないが、次の制度が「車両の排出」から「産業の立地」へ軸足を広げつつあることは押さえたい。
ACEAの要請は、欧州の電動化が規制目標と現場投資の接続を急いでいることを映す。パッケージの最終文言が、域内の生産と雇用の競争条件を決める。
2026年10月15日 17:33 より抜粋