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EV普及の競争は、車を売るところで終わらない。使い終えた電池を安全に回収し、資源を再利用できるか。フィリピンでは、その「出口」を作る動きが具体化している。
InsiderPHによると、En Tsumugi ELV Dismantling Corp.はパンパンガ州メキシコの拠点を、国内初のEV電池リサイクル施設へ拡張する。黒色粉末(black mass)技術を用い、使用済みリチウムイオン電池からリチウム、銅、ニッケル、マンガン、コバルトを回収する計画だ。設備は3段階で2026年末までに設置を終え、2027年初頭の商用サービス開始を目標とする。Toyota Motor Philippinesによれば、国内にはトヨタ車130万台が走り、2009年以降のToyota・Lexus電動化車両は約6万台にのぼる。
EVの導入台数が増えるほど、事故車・劣化電池・解体車をどう扱うかが産業インフラになる。回収設備とトレーサビリティーがなければ、資源回収の機会を逃すだけでなく、安全や不法処理のリスクも高まる。記事は、解体品・回収材・最終行き先をリアルタイムで追うソフトも導入するとしており、単なる処理場ではなく循環管理の基盤を狙う。
ASEANで電動化の供給網を考える日本企業にとって、車両・電池の販売後を含めた事業設計が重要になる。これは企業発表を基にした進捗報道であり、設備の能力や採算は今後の検証が必要だ。それでも、電池の回収・再資源化を現地に根付かせようとする動きは、ASEANのEV市場が次の段階へ進む条件の一つだ。
フィリピンの計画は、EV市場を「販売」から「循環」へつなぐ試みである。2027年の商用化が実現すれば、東南アジアでの電池ライフサイクル管理の重要な先例になりうる。
2026年10月8日 13:11 より抜粋