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欧州は電池を含む自動車の域内生産を増やそうとしている。しかし、目標を法律に書き込むことと、実際にセル工場が量産に到達することの間には長い時間差がある。ACEAの最新メッセージは、その時間差を政策設計に織り込むよう求めている。
ACEAは、欧州の自動車産業が250超の工場と約1,400万人の雇用を支え、電池生産にも投資してきたと説明した上で、Industrial Accelerator Act(IAA)の域内調達要件に懸念を示した。ACEA委託のMobility Global調査では、欧州の電池セル生産は2032年に306GWhへ伸びる見込みだが、IAAが想定する時期までに需要へ追いつかない可能性があるという。新工場は立地、許認可、建設、人材育成、試運転、立ち上げを経るため、発表からフル生産まで約10年かかり得るとした。
「発表済み能力」をすぐに使える能力として扱えば、域内調達の義務が完成車生産を縛るリスクがある。特に大型商用車では、電池需要が計画能力を上回る可能性が大きい。欧州の電池戦略は、単に海外依存を減らす話ではなく、投資回収、人材、電力、許認可の速度まで含む産業運営の問題だ。
これはACEAという業界団体の主張であり、政策への提言として読む必要がある。そのうえで、日本の車載電池・部材企業にとっても、域内生産の要求が強まる欧州で、品質認定と量産立ち上げをどの時間軸で進められるかは重要な競争条件になる。
欧州の「現地生産」は目標だけでは進まない。電池工場が実際に量産へ届くまでの時間を、制度側がどう扱うかが次の争点になる。
2026年10月1日 09:26 より抜粋