中国のEV競争は、航続距離や価格を競う段階から、量産した車を安全に管理し続けられるかを問う段階へ進みつつあります。中国当局が始めた一年間の自動車品質キャンペーンは、コネクテッドカー時代の監督が「工場出荷時」だけでは完結しないことを示します。
CnEVPostによると、工業情報化部など4機関は、道路車両の生産一致性と品質を対象に全国キャンペーンを開始しました。重点はインテリジェント・コネクテッド車の安全能力、企業の設計・開発・生産能力、製品の一致性です。工場や販売店から車両・主要部品を抽出し、ハードとソフトの構成を封印して試験機関へ送る仕組みも含まれます。
検査は車体構造、衝突安全、EV安全、駆動用電池パックまで及びます。検体封印後にOTAで技術仕様を不適切に変更することも禁じる考え方です。市場参入要件や国家標準を継続的に満たせない企業は公表、製品のカタログ停止、新製品届出の制限を受け得ます。急速に更新されるソフトウェアを含め、量産後の品質責任を制度が追いかけ始めた点が重要です。
日本企業にとっても、車両の安全を部品単位ではなく、ソフト更新、電池、運転支援、量産工程を通じて説明できるかが競争条件になります。中国の規制強化は、現地で売る完成車・部品・ソフト企業にとって、開発速度と検証記録を両立させる圧力になるでしょう。
中国EV市場の次の論点は「速く出す」ことではなく、「出した後も安全を証明し続ける」ことです。全国横断の点検は、コネクテッドカーの品質管理を産業競争力の一部へ変える動きです。
2026年8月28日 14:08 より抜粋