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欧州の電池政策で本当に難しいのは、研究開発でも工場発表でもない。試作を終え、安定した商業生産に入るまでの「資金の谷」をどう越えるかだ。EUはその局面に、最大15億ユーロの無利子融資を投じる。
Charged EVsの公開本文によると、欧州委員会はEEA域内でEV用電池セルを製造する企業に、最大15億ユーロの無利子融資を提案する募集を開始した。資金はEU排出量取引制度の収入で賄うInnovation Fundから出る。対象は初期生産から商業活動開始までの立ち上げ段階で、1社あたり適格費用の最大60%、上限5億ユーロまで融資可能とされる。申請期限は9月30日だ。
欧州ではNorthvoltの破綻、PorscheのCellforce閉鎖、ACCの独伊工場計画中止など、セル生産の困難さが露呈してきた。記事は中国メーカーが世界の電池生産の8割超を占めると指摘する。無利子融資は、単に資金を配るのではなく、欧州メーカーが量産に届く前に資金切れになる問題へ狙いを定めた政策だ。
日本の電池・材料・装置企業にとって、欧州の量産支援は顧客の投資タイミングを左右する。欧州でのセル生産が再び動き出せば、現地調達、技術提携、設備受注の条件も変わる。
15億ユーロは万能薬ではないが、欧州が電池を「戦略産業」と言うだけで終わらせず、量産の資金谷を埋めに動いた点に意味がある。問われるのは、融資で立ち上げを持続的な事業へつなげられるかだ。
2026年8月11日 10:27 より抜粋