eu-driver-monitoring-camera-mandate-20260716
クルマが見る対象は、前方の道路だけではなくなった。EUでは今週から、新規登録されるすべての乗用車とバンに、運転者の状態を見守る車内カメラを使った注意散漫警報が求められる。
CBT Newsは、システムが時速約12マイル(約19km)以上で目線や頭部位置、注意状態を検知し、注意散漫や眠気を判断した場合に警告すると伝えた。
制度の狙いは、居眠りや注意散漫による事故を減らすことだ。車線維持や自動ブレーキのように外側を監視する安全装備に加え、運転者自身を検知する機能が標準装備として扱われる。
記事は、ドライバー監視が警告のために常時働くこと、顔の方向や視線を扱うことから、利用者が「何を見られ、何が保存されるのか」を意識するようになると論じる。
自動運転や高度運転支援が進むほど、システムは「運転者が介入可能か」を判断する必要がある。車内センシングは安全機能であると同時に、ソフトウェア、HMI、データ処理を結ぶ基盤になる。
一方で、検知精度、誤警報、データの車外送信・保存、利用者への説明は別の課題だ。規制は装備を義務にするが、顧客が受け入れるかどうかは実装の質に左右される。
日本メーカーにとって欧州は、環境規制だけでなく車内ソフトウェアの規制対応が競争条件になる市場だ。カメラを載せるだけでなく、警告の出し方、データの扱い、説明の分かりやすさまで製品価値に直結する。
国内でも運転支援の高度化は進む。EUでの義務化は、ドライバー監視が高級車だけの機能から大量生産車の基本装備へ移る可能性を示す先行事例として見るべきだ。
EUの車内カメラ義務化は、安全装備の追加では終わらない。運転者データをどう安全に、納得感をもって扱うかが次の差別化になる。
2026年7月16日 12:02 より抜粋