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インドの自動車市場は大きいが、完成車の輸入には長く高い壁があった。その壁を英国向けに段階的に下げる協定が、7月15日に動き始める。
ETAutoによると、インド・英国の包括的経済貿易協定(CETA)は英国製の乗用車・トラックの輸入関税を下げ、インドからのEV・ハイブリッド輸出にも優遇的な市場アクセスを与える。
記事によれば、英国製乗用車の関税は現行110%から段階的に10%へ下がる。ガソリン車・ディーゼル車は協定発効時から関税優遇の対象となる。
一方、EV、ハイブリッド、水素乗用車は、優遇アクセスの対象になるのが協定6年目からだ。これは国内EVメーカーに5年間の保護期間を残す設計で、自由化の速度を車種別に変えている。
この協定のポイントは、関税を下げるかどうかだけではない。内燃機関車では市場アクセスを先に広げつつ、電動車では国内産業が投資・生産能力を整える時間を確保している。
輸入車の選択肢拡大は高価格帯を中心に競争を変えうる一方、EVの猶予期間はインドの電動化サプライチェーンにとって政策的なバッファーになる。
日本企業にとっては、インド市場の関税政策が単なる保護主義から、相手国・車種・時間軸を使い分ける産業政策へ変わっている点が重要だ。完成車輸出、現地生産、英国との部品・ブランド連携を別々に評価する必要がある。
またインドのEV市場では、海外製完成車の競争をすぐ全面解禁せず、国内の生産・投資を育てる意図が明確だ。今後の通商協定でも同様の段階設計が使われる可能性がある。
CETAはインド市場を開く協定だが、同時にEV産業を守る時間表でもある。110%から10%という数字以上に、車種ごとに異なる自由化の順番がインドの戦略を物語っている。
2026年7月15日 12:42 より抜粋