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中国のEV市場は、もう何をしても伸び続ける段階にある――そう思いがちですが、6月の数字は少し違う景色を見せました。普及率は高止まりしたままでも、需要の出方は以前よりずっと不安定になっています。
CnEVPostが伝えたCPCA予備値によると、6月の中国NEV小売販売は103.7万台で前年比7%減でした。EV化そのものは止まっていないのに販売が減速する。このねじれは、中国市場が量の拡大期から成熟市場の調整局面へ移っていることを示しています。
6月の中国NEV小売は103.7万台で前年比7%減でしたが、前月比では9%増でした。卸売は150.6万台で前年比22%増となっており、小売と卸売の見え方に差が出ています。NEV小売浸透率は62.8%と依然として高水準です。
同じ月の中国全体の乗用車小売は165.1万台で前年比21%減でした。CnEVPostによると、前年の端午節による高い比較ベース、今年の「618」販促の弱さ、受験前の様子見需要が重なり、需要放出のテンポが鈍りました。一方で、純ガソリン車の生産縮小はさらに急で、従来型車の弱さが市場全体を押し下げています。
重要なのは、中国EV市場が失速したという単純な話ではなく、成熟市場特有の波に入り始めたことです。浸透率が6割を超えた市場では、補助や新車投入だけで一方向に伸びるのではなく、販促カレンダー、消費心理、比較ベースの影響が大きくなります。
しかもNEVの卸売は伸びている一方で、従来型車の落ち込みが市場全体を重くしています。つまり中国では「EVが強い」だけではなく、「ICEの弱体化をどの程度吸収できるか」が競争の本丸になってきました。これは価格競争、在庫管理、販売チャネルの効率性まで問う変化です。
日本の読者にとって示唆的なのは、中国市場をいまだに“補助金で走る成長市場”として見ると実態を外すことです。いまの中国は、普及率の高さゆえに、景気や販促の振れがそのまま販売実績に出やすい市場になっています。
日本メーカーや部品企業にとっては、中国で何が売れるかだけでなく、どのタイミングで需要が動くのか、従来型車の縮小をどう受け止めるかが重要になります。販売の絶対量だけでなく、需要の質の変化を読む力がより重くなる局面です。
6月の中国NEV販売減速は、EV化が止まったという話ではありません。むしろ浸透率6割超の市場が、成熟ゆえの振れを抱え始めたというサインです。今後の中国市場では、普及率そのものより、需要変動を誰がうまく吸収できるかが競争力になります。
2026年7月7日 11:03 より抜粋