CARNORAMA JAPAN -Automotive Views – Trends – Ideas – カノラマジャパン株式会社 【欧州】VWはなぜ中国開発EVを欧州へ戻すのか?

【欧州】VWはなぜ中国開発EVを欧州へ戻すのか?

VWはなぜ中国開発EVを欧州へ戻すのか 逆流し始めた自動車技術とEU関税の現実
eu-vw-china-developed-models-europe-20260705

市場: 欧州市場
公開: 2026-07-05 06:30 JST
論点: VWが中国開発車を欧州へ逆輸入しようとしている動きは、欧州メーカーが中国を販売先ではなく開発拠点として再評価し始めたことを示している。

 

導入

かつて欧州メーカーは、中国市場向けに欧州の技術を持ち込む側でした。ところが今は逆に、中国で作った商品や開発力を欧州へ戻す発想が現実味を帯びています。

フォルクスワーゲンが中国開発モデルの欧州投入を検討しているという報道は、その象徴です。これは単なる車種追加ではなく、欧州自動車産業の競争力と関税対応の両方を映すニュースです。

 

何が起きたか

CarExpertは、Handelsblatt報道を引用し、VWグループがSAICと開発した大型SUV「ID. Era 9X」を欧州へ持ち込む可能性を伝えました。Touareg生産終了後の空白を埋める狙いもあるとされます。

同車はEREVであり、純EV向けの追加関税を回避できる可能性があります。VWはさらに、中国向け新プラットフォームCSPベースの未発表車についても輸出を検討していると報じられています。

 

なぜ重要か

重要なのは、欧州メーカーが中国勢に押されているという単純な話ではなく、中国の開発スピードや商品企画力を自社戦略に取り込む段階に入ったことです。技術や商品企画の流れが、従来の「欧州から中国へ」だけでなく「中国から欧州へ」に反転し始めています。

加えてEUの対中EV関税が、純EVではなくPHEVやEREVへ戦略をずらす誘因になっている点も見逃せません。規制が競争ルールを変え、そのルールが車種ポートフォリオを再設計させています。

 

日本から見た意味

日本の読者にとって示唆的なのは、中国が単なる安価な生産地ではなく、欧州向け商品を生み出す開発拠点にもなり得ることです。中国で磨かれたEV・EREVの商品力を、先進国市場へ横展開する流れは今後さらに強まる可能性があります。

また、この話はCarExpertがHandelsblatt報道を引用した二次報道ベースです。ただし、その内容が示す構図――関税対応、工場稼働、欧州空白セグメントの補完、中国開発車の逆流――は、今の欧州市場を読むうえでかなり重要です。

 

まとめ

VWの検討は、中国開発車が欧州の空白を埋める時代が近づいていることを示します。欧州自動車産業では、関税と競争力の両面から「どこで開発した車を、どこへ売るか」の再設計が始まっています。

 

出典

2026年7月5日 15:49 より抜粋

PAGE TOP

  • 1.自動車100年塾
  • 3.日本アジアビジネス協会 JABA