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中国のNEV政策は、まだ全面的な後押しを続ける段階にある――そう見ていると、今回の税制見直しは意外に映ります。実際には中国当局は、普及が進んだ分野と、なお優遇を残す分野を切り分ける「次の政策フェーズ」に入り始めました。
CnEVPostによると、中国は2027年1月から一部NEVに対する車両・船舶税の免除を打ち切ります。ただし、BEV乗用車は引き続き非課税のままです。この線引きは、中国市場が量の拡大局面から、政策の選別局面へ移ったことを示しています。
今回の見直しでは、プラグインハイブリッド車、レンジエクステンダー車を含むPHEV、バッテリー式商用車、燃料電池商用車が2027年から車両・船舶税の免除対象から外れます。省エネ車向けの半額課税措置も終了します。
一方で、BEV乗用車と燃料電池乗用車は、エンジン排気量を持たず現行法の課税対象外であるため、事実上の非課税が維持されます。財政部の説明では、NEV普及が急速に進み、2025年のNEV販売が1649万台、国内新車販売の過半を占めたことが政策環境の変化として示されました。
重要なのは、中国がNEV全体を一括で保護するよりも、「どのカテゴリーを今後も伸ばしたいか」を税制で明確にし始めた点です。BEV乗用車は守り、PHEVや一部商用分野には通常課税を戻すことで、市場の成熟度に応じた差を付けています。
これは単なる優遇縮小ではありません。NEVがすでに主流化し、2026年5月の小売浸透率が62.9%に達したからこそ、当局は補助から制度設計へ軸足を移せるようになったとも読めます。中国市場では今後、販売奨励より税・道路財源・公平性の再設計が大きなテーマになります。
日本から見ると、中国市場を「補助金で伸びたEV市場」とだけ理解するのは不十分です。普及率が高まった結果、中国は支援を縮めてもBEV乗用車の勢いを維持できるかどうかを試す段階に入りました。
日本メーカーや部品各社にとっては、中国が今後どの車種に政策的な追い風を残し、どの分野で競争を市場任せにするのかが重要です。PHEVや商用分野でコスト条件が変われば、製品戦略と価格戦略の見直し圧力が強まります。
今回のニュースの本質は、中国がNEV支援をやめるという話ではなく、普及が進んだ市場に合わせて支援の配分を変え始めたことにあります。BEV乗用車を残し、一部NEVを課税に戻す判断は、中国のEV市場が新しい成熟局面に入ったサインです。
2026年7月4日 09:24 より抜粋