CARNORAMA JAPAN -Automotive Views – Trends – Ideas – カノラマジャパン株式会社 【中国】CATL会長が冷や水 全固体電池「量産はまだ遠い」

【中国】CATL会長が冷や水 全固体電池「量産はまだ遠い」

CATL会長が冷や水 全固体電池「量産はまだ遠い」が示す中国EV競争の次の壁

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全固体電池は、EV業界で最も期待を集める次世代技術のひとつです。航続距離、安全性、充電性能の改善余地が大きく、「これが普及すれば競争が一段進む」と語られてきました。

ただし、中国最大の電池メーカーCATLのトップ自身が、いまはまだそこまで到達していないと明言した意味は小さくありません。話題先行になりがちな次世代電池競争に対し、現実の量産ハードルを改めて突きつけたからです。

 

何が起きたか

CnEVPostによると、CATLの曾毓群(Robin Zeng)会長は夏季ダボス会議で、全固体電池の進捗は1から9までの尺度でまだ「4」の段階だと説明しました。量産の到達点といえる「9」にはまだ距離があり、技術面だけでなく、製品面、商業面の3つの壁を越える必要があるとしています。

製品面では十分な供給能力と信頼性・安全性の確保が必要で、商業面では最終的に大量販売できる価格帯に落とし込めるかが問われます。CATLは以前から、数百万台規模での本格普及は2030年以前には起こりにくいとの見方を示してきました。

 

なぜ重要か

重要なのは、中国EV産業の中心プレーヤーが「次の本命技術」を過度に前倒しで語らなかったことです。市場ではしばしば、全固体電池がすぐに既存のリン酸鉄リチウム電池や三元系電池を置き換えるかのような期待が広がります。しかし実際には、量産工程、歩留まり、コスト、安全基準、販売価格のすべてを同時に満たさなければ産業化は進みません。

つまり中国EV競争の次の数年は、“夢の電池”の宣伝戦ではなく、既存技術をどこまで安く、大量に、安定して出せるかの勝負が続く可能性が高いということです。CATLの発言は、業界の時間軸を現実側へ引き戻すシグナルといえます。

 

日本から見た意味

日本でも全固体電池は期待が大きく、電池戦略を語るときの象徴的なテーマになっています。ただ、日本の読者が見落としやすいのは、「先に技術の夢が語られても、量産の経済性が伴わなければ市場の勢力図はすぐには変わらない」という点です。

むしろ今後の勝負は、量産技術の成熟度、供給網、原価管理、そして安全検証の積み重ねにあります。中国勢が強いのも、単に派手な新技術を語るからではなく、その前段の量産実装で厚みを持っているからです。

 

まとめ

CATL会長の発言は、全固体電池への期待を否定するものではありません。しかし、量産までの距離を冷静に示したことで、中国EV競争の本番がまだ現行技術と量産実行力の延長線上にあることをはっきりさせました。次世代電池の覇権争いを見るときこそ、「いつ実用化されるか」ではなく「いつ大量に安く安全に売れるか」で見る必要があります。

 

出典

  • Source: CnEVPost
  • URL: https://cnevpost.com/2026/06/24/catl-chairman-long-road-solid-state-battery-mass-production/
  • Published: 2026-06-24 17:27 UTC+8

2026年6月25日 15:34 より抜粋

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